研究課題/領域番号 |
19K11733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
藤田 守 久留米大学, 医学部, 客員教授 (60037471)
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研究分担者 |
中村 桂一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (20172398)
近江 雅代 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (20301682)
森本 景之 産業医科大学, 医学部, 教授 (30335806)
熊井 まどか 長崎国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50360300)
熊谷 奈々 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (70552983)
馬場 良子 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90271436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 胎児期低栄養環境 / 環境エピゲノム変化 / 小腸 / 空腸 / 回腸 / 吸収上皮細胞 / 消化吸収機構 / テロメア / 出生直後 / 腎臓 / エピゲノム / 栄養環境エピゲノム / 胎児期 / 絨毛 / 胎児期異常栄養環境 / 超微形態学 / 生活習慣病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、胎生期の低栄養または過剰栄養環境エピゲノム変化(シトシンのメチル化修飾等)による出生後の消化吸収機構、特に栄養補給系の重要な場である小腸吸収上皮細胞等に及ぼす影響をin situ ハイブリダイジェーション法・染色体末端のテロメア解析・遺伝子解析・電子顕微鏡を用いた分子栄養形態学的解析を経時的に行い、それらの情報を統合して、生活習慣病発症機序の解明と早期予防に関する研究を行う。 その結果を踏まえて、早期予防法を確立し、妊娠前、妊婦(胎児)、新生児および乳幼児の栄養環境改善(栄養指導)を行い、生活習慣病発症の早期予防に役立てる。
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研究成果の概要 |
胎児(仔)期異常栄養環境(低栄養環境)に暴露された出生後の小腸(空腸・回腸)の消化吸収機構および腎臓(腎小体・尿細管)の排泄機構を超微形態学的、エピゲノム変化およびテロメアDNAについて比較検討した。低栄養環境群において、出生後の回腸では正常群より短い絨毛と浅い陰窩を認め、腎臓では萎縮した腎小体が観察された。エピゲノム変化を知る目的で、ヒストンのメチル化を種々の抗体を用いて検索した。H3K27me3抗体は正常群の乳飲期回腸と腎臓において強陽性反応、実験群では弱陽性反応を示した。テロメアDNA標識法において、出生直後さらに乳飲期の回腸および腎臓はラベル(ドット)の数が正常群と比較して減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎児(仔)期異常栄養環境(特に、低栄養環境)に暴露された胎児(仔)は出生後の小腸(回腸)及び腎臓(腎小体・尿細管)に影響を及ぼすことがわかった。出生後の回腸では短い絨毛と浅い陰窩、腎臓では萎縮した腎小体が認められた。胎児期に栄養環境エピゲノム変化がおこり出生後の乳飲期回腸と腎臓に影響を及ぼし、H3K27me3は回腸の絨毛と陰窩の発達に関与している可能性がある。出生直後から、すでにテロメアDNAの量が正常群より減少していた。これらの研究成果は学術的にも意義があり、これらを踏まえて、妊婦(胎児)、新生児から栄養指導を行い、生活習慣病発症の早期予防に役立てることで、社会的に意義がある。
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