研究課題
基盤研究(C)
血管内皮細胞の老化で分泌されるへパラン硫酸脱硫酸化酵素について、心血管系細胞への作用機序を明らかにするために、以下のような研究を計画している。①血管内皮細胞に対する作用を明らかにするため、細胞老化誘導、内皮機能の変化、炎症刺激された内皮細胞の機能変化について検討する。②心臓系細胞に対する作用を明らかにするため、平滑筋細胞、心臓線維芽細胞、心筋細胞の増殖性や機能変化について検討する。③血中や組織での発現について検討する。
へパラン硫酸脱硫酸化酵素2の内皮細胞への作用として、細胞老化誘導には関与しないことを見出した。In vivoでの発現について検討した結果、へパラン硫酸脱硫酸化酵素2が老齢マウスの大動脈血管内皮および心臓の血管内皮に高発現しており、さらに血中レベルでも老齢マウスで増加していることを見出した。In vivoでの解析を進めるため、へパラン硫酸脱硫酸化酵素2の血管内皮特異的ノックアウトマウスの作成を進めた。さらにへパラン硫酸脱硫酸化酵素2が作用する可能性のある血管平滑筋細胞において、脱分化時に糖脂質の1群であるガングリオシドの主要な成分の割合が増加することを見出した。
生活習慣病の増加する中年層から高齢層にかけて生体内では老化細胞が蓄積し、動脈硬化を発端とする心血管疾患の発症、進展につながると考えられているが、詳しい分子メカニズムは不明である。今回の成果では、へパラン硫酸脱硫酸化酵素2がヒトの培養血管内皮細胞のみならず、マウス生体の加齢に伴って心血管および血中で増加すること、さらに血管の恒常性維持に働く平滑筋細胞の機能を制御する可能性が示された。今後さらにin vitroおよびin vivo研究をすすめることにより、へパラン硫酸脱硫酸化酵素2を標的とした心血管疾患を含む加齢性疾患の新たな治療法や予防法の開発につながると期待される。
すべて 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 3件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 5件) 図書 (2件) 備考 (3件) 産業財産権 (2件)
日医大誌
巻: 89 号: 4 ページ: 368-376
10.1272/jnms.JNMS.2022_89-402
130008144205
Biochemistry and Biophysics Reports
巻: 30 ページ: 101239-101239
10.1016/j.bbrep.2022.101239
International Journal of Molecular Sciences
巻: 22 号: 21 ページ: 11849-11849
10.3390/ijms222111849
Biogerontology
巻: 22 号: 6 ページ: 623-637
10.1007/s10522-021-09940-z
巻: 22 号: 10 ページ: 5076-5076
10.3390/ijms22105076
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 6775-6775
10.1038/s41598-021-86028-1
Heliyon
巻: 7 号: 2 ページ: e06182-e06182
10.1016/j.heliyon.2021.e06182
Cancers (Basel)
巻: 12 号: 10 ページ: 2976-2976
10.3390/cancers12102976
Cell Communication and Signaling
巻: 18 号: 1 ページ: 43-43
10.1186/s12964-020-00533-w
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 522 号: 4 ページ: 881-888
10.1016/j.bbrc.2019.11.120
巻: 20 号: 24 ページ: 6362-6362
10.3390/ijms20246362
巻: 9 号: 1 ページ: 19369-19369
10.1038/s41598-019-55867-4
Cancer Sci.
巻: 110(12) 号: 12 ページ: 3708-3717
10.1111/cas.14221
巻: 9 号: 1 ページ: 10871-10871
10.1038/s41598-019-47416-w
Histology & Histopathology
巻: 34 ページ: 995-1007
巻: 514 号: 1 ページ: 112-117
10.1016/j.bbrc.2019.04.117
巻: 20 号: 8 ページ: 1819-1819
10.3390/ijms20081819
https://www.tmghig.jp/research/release/2021/0326.html
https://www.tmghig.jp/research/release/2020/1019.html
https://www.tmghig.jp/research/release/2019/1225-2.html