研究課題/領域番号 |
19K11764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
永島田 まゆみ 金沢大学, 保健学系, 助教 (30645510)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肥満 / 慢性炎症 / インスリン抵抗性 / マクロファージ / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満によって誘導される慢性炎症は、インスリン抵抗性および生活習慣病に共通する病態基盤として注目されている。慢性炎症は、マクロファージ浸潤の増加だけでなく、炎症惹起性M1の増加と抗炎症性M2の減少というマクロファージの質が変化する極性変化が深く関与する。本研究では、なぜ肥満に伴いM1マクロファージが増加し、M2マクロファージが減少するのか、熱ショック転写因子HSF1におけるマクロファージのM1/M2極性の調節と、インスリン抵抗性や生活習慣病に与えるインパクトについて、遺伝子改変マウスを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
肥満による慢性炎症とインスリン抵抗性の形成において、浸潤するマクロファージ量だけでなくマクロファージ極性(炎症惹起性M1、抗炎症性M2)も重要である。しかしマクロファージの極性制御においては不明な点が多い。私たちは肥満の脂肪組織で転写因子HSF1の発現が減少することを見出している。本研究ではマクロファージで発現するHSF1のマクロファージの極性制御機構と肥満における炎症やインスリン抵抗性への関与ついて検証した。マクロファージで発現するHSF1は、肥満の脂肪組織に浸潤するマクロファージの量とマクロファージ極性に関与し、糖脂質代謝、インスリン抵抗性および炎症の形成に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、転写因子であるHSF1がマクロファージの極性制御および肥満による慢性炎症やインスリン抵抗性の発症に関与することを明らかにし、HSF1が生活習慣病の元凶となる肥満と慢性炎症のリンクを断ち切る因子となりうる可能性を示した研究である。肥満による慢性炎症とインスリン抵抗性の発症に重要なマクロファージの極性という「質」を変化させるHSF1はインスリン抵抗性や生活習慣病に対する創薬、予防法につながる新規標的分子となりうることが期待される。
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