研究課題/領域番号 |
19K11795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 (2021-2022) 静岡県立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
吉田 卓矢 熊本県立大学, 環境共生学部, 准教授 (80622448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 運動 / エネルギー産生栄養素 / 食餌 / 持久性運動 / 脂肪毒性 / ウェスタンダイエット / エネルギー代謝 / PGC-1a |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、慢性腎臓病(CKD)において、運動や食事が腎臓に与える影響を明らかにすることを目的とします。近年、CKDでは腎臓のエネルギー代謝に異常が見られることが明らかとなっています。この腎臓のエネルギー代謝の異常がCKDの悪化を促進していることが考えられます。一方で、エネルギーの代謝に関わる運動や食事がCKDの腎臓にどのような効果があるかはあまりわかっていません。本研究により運動と食事がCKDの腎臓にどのように影響しているかが明らかとなれば、CKDにおけるこれまでの食事療法や運動療法を見直すきっかけとなることが期待できます。
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研究実績の概要 |
本研究は、運動が慢性腎臓病による腎組織障害を改善する効果の機序を明らかにすることを目的とし、特に腎臓の脂肪酸代謝と線維化の関連に着目して運動の効果を検討した。昨年度は、長期的に高脂肪食を与え腎機能を低下させたラットを用いて、運動および食餌のエネルギー産生栄養素の摂取比率の違いが慢性腎臓病による腎障害に及ぼす影響を検討した。その結果、運動は高脂肪食摂取による腎尿細管の障害を有意に抑制した。また、食事中の脂質からのエネルギー摂取比率を減らすことも運動と同様に腎尿細管の障害を抑制した。しかし、運動に加えて食事中の脂質からのエネルギー摂取比率を減らしても腎臓に対する相加的な効果は見られなかった。また、腎組織中の脂質代謝について検討したが、運動およびエネルギー産生栄養素摂取比率の違いは、腎臓の脂質代謝を促進させることはなかった。そのため、運動や食餌による腎組織への影響は、全身に対する効果の間接的な影響であることが考えられた。本研究では、高脂肪食を長期的に摂取させて腎機能を低下させてから運動やエネルギー産生栄養素の摂取比率の違いが慢性腎臓病の腎臓に及ぼす影響を検討した。そのため、これらの結果から一度低下した腎機能については、運動と食餌のエネルギー産生栄養素の摂取比率を改善しても健常な動物と同程度まで腎組織病変を戻すことは困難であることが考えられた。運動が腎障害を抑制することは明らかであったため、今後は運動習慣の有無が、高脂肪食による腎障害の進展を予防することができるか予防的な効果についても明らかとなることが望まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
想定していた研究結果と異なる結果であったため、実験の追加および考察で時間を要した。そのため、やや遅れていると評価し、研究機関の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
研究結果についてさらに考察し、2024年1月の日本病態栄養学会で発表を予定している。また、早急に論文の執筆をすすめる予定である。
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