研究課題/領域番号 |
19K11830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北原 知就 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (10551260)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 線形計画問題 / 最小ノルム問題 / 単体法 / 強多項式アルゴリズム / アルゴリズム / 線形計画問題に対する離散・連続融合アルゴリズム / 多項式アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
線形計画問題は,最も基本的な数理計画問題である.線形計画問題に対して,理論的に優れているとされる多項式アルゴリズムの存在は知られているが,それより上位の強多項式アルゴリズムが存在するか否かは,重要な未解決問題として今日まで残っている. 本研究では,上記の未解決問題の解決を念頭に,これまで提案されてきた線形計画問題に対する離散的,連続的アルゴリズムを融合させた新しいアルゴリズムを開発することを目指す.本研究の進展により,離散面,連続面の良いところを併せ持つアルゴリズムが開発することで,前述した未解決問題の解決へ向けた重要な示唆が得られることが期待できる.
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研究実績の概要 |
2022年度は主に、(a)線形計画問題に対する新しいアルゴリズムの理論面、実装面の研究、(b)これまでの研究の論文投稿・学会発表、(c)線形計画問題に対する最急降下規則の単体法のまとめ、(d)関連研究の調査、の4点を行った。それぞれの詳細は、次の通りである。 (a)線形計画問題に対する新しいアルゴリズムの理論面、実装面の研究:本年度は昨年度に引き続き、国内外の研究者と線形計画問題の新しいアルゴリズムについて共同研究を行った。提案アルゴリズムは、正確には最小ノルム問題を解くアルゴリズムであるが、特殊ケースとして線形計画問題も解くことができる。共同研究の結果、提案アルゴリズムの反復回数について、理論的な上界を与えることができた。また、提案アルゴリズムを数値計算ソフトウェアを用いて実装し、その挙動を詳細に調べた。その結果、提案アルゴリズムが多くの場合、既存のアルゴリズムよりも効率的であることがわかった。 (b)これまでの研究の論文投稿・学会発表:(a)の結果を論文にまとめ、一流の国際会議の査読付き抄録として投稿した。査読者からは提案アルゴリズムについて好意的な評価が得られ、抄録に採択されることが決まった。また、提案アルゴリズムを国内の学会で発表した。その際に他の研究者と意見交換でき、今後の研究を推進していくうえで有益な示唆が得られた。 (c)前年度に国内の学会での発表に基づき、線形計画問題に対する最急降下規則の単体法のまとめた。結果は共同研究リポートに掲載された。 (d)関連研究の調査:文献調査を通じて、研究課題に関連する研究の調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、昨年度から検討していた線形計画問題に対する新しいアルゴリズムについて引き続き研究し、提案アルゴリズムの理論面、実装面で結果を得ることができた。その結果を論文にまとめることができ、一流の国際会議の査読付き抄録に採択されることが決まった。また、提案アルゴリズムを国内の学会で発表することができた。以上のことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は主に、2022年度に検討していたアルゴリズムの簡素版の研究を進めていきたいと考えている。その詳細は以下のとおりである。 2022年度まで検討していたアルゴリズムにおいて、その一部の手順を省略した簡易版のアルゴリズムでも効率的に機能することを数値実験によって確かめた。本年度はこの簡易版アルゴリズムの性能について理論的な保証を与えることができないかを検討する。また、数値実験を行い、提案アルゴリズムの挙動を詳細に解析する。
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