研究課題/領域番号 |
19K11837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久野 誉人 筑波大学, システム情報系, 教授 (00205113)
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研究分担者 |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
吉瀬 章子 筑波大学, システム情報系, 教授 (50234472)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 数理最適化 / 非線形最適化 / 大域的最適化 / 非凸関数 / DC関数 / 単調最適化 / 分枝限定法 / 非凸計画問題 / アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
2つの凸関数の差として表すことのできるDC関数には一般に多くの極値が存在するため,その最適化では大域的な求解の困難なことが知られている.本研究では,特殊ケースである凹最小化のためのアルゴリズムを基に,サブルーチンに用いる凸最小化アルゴリズムなどの計算効率を高めることにより,厳密な大域的最適解を生成する実用性の高いアルゴリズムの構築を行う.また,組合せ最適化との関連の深い特殊ケースに対し,近似保証のある効率よいアルゴリズムを提案する.さらに,2つの増加関数の差として表記できるDC関数の最適化に対して,これらの結果の拡張を試みる.
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研究成果の概要 |
すべての2回連続微分可能な関数は2つの凸関数の差,つまりDC関数として表すことが可能であり,しかもその一方の凸関数は1変数関数の和にできることが知られている. こうした特殊構造を持つDC関数が、分離可能な非凸最適化のための矩形分枝限定法を用いて大域的に最適化できることを示した.また,アルゴリズムの中でサブルーチンとして繰り返し呼び出される凸最適化法をウォームスタートさせ,実用化を向上させたアルゴリズムの改訂版を開発した.アルゴリズムの収束性を証明するとともに,改訂の有効性を数値実験によって確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2つの凸関数の差の最適化であるDC最適化は,97年にDCAと呼ばれる強力な局所最適化法が発表されて以来,特に機械学習の分野で盛んに用いられている.ところが,DC最適化問題の大域的な最適化となると,理論的には優れたアルゴリズムも提案されているものの,実用性に関しては数変数の問題を解くことすらままならない状況にあった.この研究で提案されたアルゴリズムは,DC関数を定める一方の凸関数が1変数関数の和として表すことができれば,100変数を超える問題に対しても10分程度で大域的に最適な解の出力が可能で,これは既存の大域最適化法の性能をはるかに凌駕するものである.
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