研究課題/領域番号 |
19K11860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 冬彦 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (90456161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 情報幾何 / ベイズ統計 / 量子情報 / 統計的決定理論 / 量子計算機 / ゲートセットトモグラフィ / 複素多様体 / 客観事前分布 / 量子トモグラフィ / 最小エントロピー / 強化学習 / 片側切断分布族 / 施設配置問題 / 複素射影空間 / 拡張ピタゴラス定理 / 正則化推定量 / 量子系の統計推測 / 量子統計 / 量子情報技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者のこれまでの客観事前分布に関する研究をさらに推し進め、統計モデル多様体上で正の優調和関数が存在する条件を複素多様体との関係から明らかにする。その結果を踏まえて、ARMAモデルやARFIMAモデルといった応用上重要な時系列モデルでの客観事前分布の提案を目指す(課題A)。 また、従来の統計モデル(古典統計モデル)と量子統計モデルの両方を念頭に置いて、客観事前分布を定める統一的・汎用的な指導原理を情報理論的な概念に依存せずに与える。その結果及び最近の量子計算機の実証実験を踏まえて、客観事前分布に基いたベイズ的なアプローチの一般論の提案を目指す(課題B)。
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研究成果の概要 |
本研究の主眼である実ARMAモデルの客観事前分布の検討では、複素ARMAモデルの先行研究を適用するには、よい複素構造を見つける必要がある。そこで、時系列モデルに限らず実統計モデルについて、ケーラー構造の存在から優調和事前分布を検討する方法を提案した。 また、客観事前分布に関する理論の量子統計モデルへの拡張では、純粋状態モデルの客観事前分布を提案した。関連して超伝導量子ビットのデータ解析での推定手法を新たに提案、理論的な性能保証を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報幾何学では、通常、実多様体を考え、複素多様体を考えることは形式的な拡張に過ぎないことが多い。しかし、本研究では負の三項モデルという実統計モデル多様体を1次元複素多様体とみなして、優調和事前分布を導出できることを示した。これにより、客観ベイズ分析の理論研究における情報幾何の応用の新たな側面を開いた。 また、量子系での客観事前分布の提案は、複素射影空間上の施設配置問題を考えており、ORとベイズ統計、量子論を結びつける独創的な結果である。また、副産物として、最小エントロピーと呼ばれる量の特徴づけにも成功した。
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