研究課題/領域番号 |
19K11864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
田中 秀和 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50302344)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 距離相関係数 / 2次漸近許容性 / 分位数 / 裾確率 / Renyi inequality / Selberg inequality / 四分位範囲 / 外れ値 / Pareto distribution / shape parameter / Ushakov bound / Bienayme-Chebyshev bound / Shape parameter / 高次漸近許容性 |
研究開始時の研究の概要 |
統計的推測における高次漸近理論は, 大標本論の中でも特にリスク関数の高次の項に着目し, 観測データを分析する統計的手法に関する理論体系であり, 1960年代から現在まで, 正則モデルを中心に様々な角度から詳細に研究されてきた. しかしながら, その中でも, 推定方式の高次の漸近許容性に関する理論体系は必ずしも明確にはなっていない. 本研究課題の目的は, 統計的推測の観点からリスク関数を通して, 推定量の高次の漸近許容性の理論の構築, および推定量の特徴付けを与えるという問題について, 未解決な問題を理論的に明らかにし, その構造を解明することである.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,統計的推測の観点からリスク関数を通して,推定量の高次の漸近許容性の理論の構築,および推定量の特徴付けを与えるという問題について,未解決な問題を理論的に明らかにし,その構造を解明することである.今年度は大きく分けて2つの研究を行った.まずは,2変量正規母集団における2つの変量の関係を表す量として相関係数があるが,これと同時に,Szekely, Rizzo and Bakirov (2007), Szekely and Rizzo (2009, 2012) 等で議論された距離相関係数の推測問題を高次漸近理論の立場から研究した.その結果,相関係数の最尤推定量は2次漸近許容的であることが示せたのに対し,距離相関係数の最尤推定量の2次漸近許容性については現在の所,不明の状態である.不明の原因としては,最尤推定量の漸近バイアスを陽に求めることが出来ていないことが挙げられる.Legendre の倍数公式や(超幾何関数の)Euler 関係式を用いることは予想できるが,他にも有用な道具を準備する必要があるものと考えられる.今後も引き続き本課題については進めていく予定である.一方,昨年度に続き,確率分布の分位数に関する基礎的性質についても調査した.その成果の1つとして,確率分布に対称性を仮定した場合に,その平均,分散,及び任意個数の分位数の間に成り立つ関係を導出することができた.この結果を用いることにより,対称な確率分布に対する分位数の存在範囲,及び裾確率の存在範囲を求めることが出来た.前者は Renyi (1979) の拡張となっており,現在,これらの成果は論文としてまとめ,学術雑誌に投稿準備中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
想定より大学の業務が激務であったと同時にコロナ禍で思ったように研究協力者と研究を行うことが出来なかった.
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今後の研究の推進方策 |
まずは2変量正規分布における距離相関係数の最尤推定量の2次漸近許容性についての研究を進める.また,確率分布の分位数の存在範囲,及び裾確率の存在範囲については,確率分布に単峰形を課したり,高次のモーメントの条件を課すことによって,より詳細な結果が得られるものと期待される.この方面についても考察していく予定である.
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