研究課題/領域番号 |
19K11913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大西 淳 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (50160560)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 日本語要求の抽出と検証 / 日本語要求の検証 / 要求文書の検証 / 要求仕様化支援 / 要求定義支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,自然言語で記述されたソフトウェア要求文書に着目し,その正しさを保証する手法を提案する.(ここでの要求文書とは,要求仕様のみならず,ソフトウェアシステムの提案書や要求仕様化に至るまでに作成される要求記述書といった文書も含めている.)次に,提案手法に基づいたシステムを試作する.さらに,一般に公開されている要求文書に適用することによって,手法と試作システムの有効性を評価し,手法の改善と確立を目指す.本研究により,要求定義プロセスの効率化と要求文書の正しさの保証が見込まれる.
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研究実績の概要 |
本研究では、日本語で書かれた要求文書の正しさを検証するための手法を開発し、手法に基づくシステムの開発を目的としているが、研究代表者らの2022年度までの研究において機能要求、使用性要求と応答性要求については,それらの抽出と検証手法を確立しており,2023年度は研究着手時点では想定していなかった生成AIツールの急速な進展に基づき、chatGPTを用いることによる自然言語解析の精度を高める手法について研究を進めた。 具体的には自然言語で表された機能要求文文を自然言語処理系及び言語資源を用いて解析し、(1)要求文書からの機能要求文の抽出、(2)複文や重文による機能要求文の単文化、(3)単文化された機能要求文に対しての既存研究に基づく格フレームの適用による、個々の要求として必要とされる語句(必須格)の抜けの自動検出のための手法を考案した。自然言語で記述された機能要求を含む要求文書を対象として、提案手法を適用し解析した結果、特に(1)の機能要求文の抽出において既存手法に比べると高い精度で抽出できることが判明した。また(3)の必須格の誤検出の事例を詳細に調べた結果、生成AIツールのための学習データの充実化と利用者への問い合わせによって、誤検出の多くを正しくすることができることも確認できた。以上より、新たに考案した手法が有効であるという見込みを得た。 2023年度に提案した手法は機能要求の完全性解析に限定していたが、非機能要求の解析と完全性以外の品質特性の解析への拡張、今年度に適用した要求文書は過去に省庁から出された要求文書1件であったが、より多くの要求文書に適用することによる手法の定量的な評価、ならびに拡張手法のツール化とツールの有用性・正確性・使用性の定量的な評価については、今後の課題としている。
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