研究課題/領域番号 |
19K11938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
加藤 聰彦 電気通信大学, その他部局等, 名誉教授 (90345421)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TCP / 輻輳制御 / 機械学習 / ニューラルネットワーク / モニタリング / ディープラーニング / MPTCP |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、TCPトラヒックの解析・制御を対象として、TCPプロトコルの詳細な振舞いを考慮し機械学習による分類・推定に適した特徴付データを抽出し、そのデータを機械学習アルゴリズムに適用するという方法を提案する。具体的には、① トラヒック解析の例として、通信ログからTCPの輻輳制御方式を自動的に推定する方法、② TCPモジュールが管理する情報を用いた通信制御の例として、マルチパスTCP (MPTCP)のサブフローの効率の良い選択方法、③ ネットワークの状況を推定して通信制御を行う例として、他の輻輳制御との公平性を考慮したBBR輻輳制御の3つの研究課題の解決を目指す。
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研究成果の概要 |
再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)に基づく識別器を用いて、ネットワークを流れるパケットを監視した通信ログから、送信側のTCP輻輳制御アルゴリズムを推定する方法を研究した。識別器に与えるデータとしては、送信側の輻輳ウィンドウの値の時間変化を推定した値を用いた。隠れ層が1層の単純なRNNと、3段の隠れ層を用いたディープラーニングによるDRNN(Deep RNN)を用いた。代表的な10の輻輳制御方式に適用し、十分な精度で推定可能であることを示した。さらに、インターネットに接続されたサーバの輻輳制御アルゴリズムの分布を推定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TCPはインターネットを流れるトラヒックの主要部分を占める。その振る舞いは輻輳制御アルゴリズムにより決定づけられる。このため現在インターネット上でどのようなアルゴリズムがどの程度使用されているかを推定することは重要となる。本研究は、ネットワークを流れるトラヒックの通信ログに基づいてその送信側の輻輳制御アルゴリズムを推定する方法を提案するもので、機械学習を用いて、最新の輻輳制御アルゴリズムまでの推定を可能としたものである。ローカル環境での評価で正しい推定が可能であることを確認し、さらにインターネットに接続された実際のサーバのアルゴリズムの推定を行ったことは、十分に学術的および社会的な意義がある。
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