研究課題/領域番号 |
19K11998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 量子アニーリングシミュレーション / FPGA / カスタムアクセラレータ / 組合せ最適化問題 / 量子アニーリング / FPGAアクセラレータ / 組み合わせ最適化問題 / 並列計算 |
研究開始時の研究の概要 |
交通量,津波などの各類のシミュレーション,グラフ解析,人工知能などの分野では最適解を高速に見つけることは重要である.近年,量子アニーリングシミュレーションが最適解を見つける手法として注目されている.その実装方法として,量子コンピュータやCPU/GPUが用いられている.量子コンピュータでは使える問題規模が小さいことは課題である.本研究ではFPGAアクセラレータを提案しCPUの数千倍から数万倍の性能向上を達成することを目的とする.FPGAとは応用により回路構成を変更可能なプログラマブル集積回路であり,大量の演算器を柔軟に接続し最適な回路構成を構築することにより高並列な処理を実現できる.
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研究成果の概要 |
(1) 大規模量子アニーリングシミュレーション: スピン数が増えると結合係数が急増し大容量のメモリが必要になる.結合係数をあらかじめ保存せずに,FPGA内に生成する提案手法で20万スピン以上のシミュレーションに成功した. (2) 高速化: シミュレーションに用いる量子モンティカルロ法は並列化が難しい手法である.トロッタ並列性を提案し,CPUの直列実装の290倍の高速化を達成できた. (3) 高精度化:データの依存関係を守りながら高並列化を行うため演算結果の精度は非常に良くなる.MQlibベンチマークを使って評価した結果D-Wave量子コンピュータの結果と99%以上一致することは確認できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子アニーリングは最適化において重要な手法であり,交通量シミュレーション,工場の作業の最適化,避難経路最適化などの様々な実用的な問題を効率的に解くことができると知られている.しかしながら,実問題は大規模であり,D-Waveなどの量子アニーラーを用いる事は難しい.本研究プロジェクトでは20万スピン以上に全結合シミュレーションができており,複数FPGAを使う場合はさらに大規模化ができる可能性を示した.さらにCPUの290倍以上の高速性を99%以上の高い計算制度で達成できた.また,GPUやマルチコアCPUを用いた高速化も提案されており,社会的な最適化問題に応用できる可能性は十分示している.
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