研究課題/領域番号 |
19K11999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022-2023) 東京大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
大西 順也 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (20376495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ハイパフォーマンス・コンピューティング / 濡れ / 微細構造 / 流体工学 / 混相流 |
研究開始時の研究の概要 |
固体表面に微細構造を付加することで,従来にない新しい機能や高い性能(たとえば,超撥水性)を示すことが知られている.しかしながら,これらの機能の発現機構や効率,堅牢性については未解明な点が残っている.本研究では,スーパーコンピュータ等を用いた大規模数値シミュレーションの活用により,微細構造内外における流動・伝熱・気液界面挙動およびそれらの相互干渉を解析することで,微細構造表面上の濡れ現象を機構論的に解明する.また,微細構造の形状・寸法・配置等が全体の濡れ現象におよぼす影響を解析することで,表面機能の発現や高度化に必要な微細構造の設計要件を明らかにする.
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研究成果の概要 |
表面機能の発現や高度化に必要な微細構造の設計要件を明らかにすることを目的として,数値シミュレーションコードを開発し,様々な問題に適用した. その結果,本研究で開発した数値シミュレーションコードは,微細構造表面上における気液界面挙動をよく再現することを確認した.また,矩形流路内におけるキャピラリー流れの数値シミュレーションでは,先端部の移動速度や幾何学的構造,内部流動構造を明らかにした.さらに,接触線摩擦モデルを用いた液滴衝突シミュレーションでは,接触線の前進過程と後退過程で摩擦係数を変えることで,より実験結果を忠実に再現できる可能性があることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は表面機能の発現機構に関する初歩的な取り組みである.本研究では,接触線運動のモデル化に関して流体力学に基いた観点を採用することで,実験結果を再現することに成功した.しかしながら,まだ未解明な点が残っており,今後は分子動力学的な観点の導入などの新しい発展が期待される.一方,工学的な応用に関しては,このような取り組みを継続することで,撥水,防汚,摩擦抵抗低減,高熱流束除熱,高速乾燥など,材料設計だけでは実現の難しい機能が実現されると期待できる. また,今後は更なる大規模な数値シミュレーションの実施が必要であり,その実現のためには,ハードウェアの特性を活用したソフトウェアの開発が必須である.
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