研究課題/領域番号 |
19K12112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松林 優一郎 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (20582901)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 省略解析 / 述語項構造 / 意味解析 / 文章理解 / 自然言語処理 / 意味構造解析 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
文を「正確に読む」ために必須となる省略解析の技術の性能は、未だ一般的な人間の読解能力と比べて大きな隔たりがある。本研究課題では、文章の一部(多くは1、2文単位)だけを見て解析を行う従来型の意味解析手法を改良し、正確な意味理解に不可欠な (1) 先行文脈の文意の蓄積(=動的知識)に基づいて後方の意味を理解するモデルと (2) 推論に必要な常識的知識(=静的知識)の効果的・効率的な表現方法の確立、(3) これら動的知識と静的知識を融合した自然な推論に基づく意味解析の実現を行うことで意味解析技術の大幅な向上を目指す。
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研究成果の概要 |
文を「正確に読む」ために必須となる省略解析の技術の性能は、一般的な人間の読解能力と比べて大きな隔たりがあった。本研究課題では、文章の一部分だけを見て解析を行う従来型の意味解析手法を改良し、 (1) 先行文脈の文意の蓄積(=動的知識)に基づいて後方の意味を理解する解析モデルの構築と (2) 推論に必要な常識的知識(=静的知識)の効果的・効率的な表現方法の確立、(3) これら動的知識と静的知識を融合した自然な推論に基づく意味解析の実現を目指した。本研究の成果として、従来法を大きく上回る解析精度を持った省略解析技術を実現した。最終成果である解析システムはオープンソースソフトウェアとして広く公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
省略解析は文章の意味を正確に理解するAIの実現に不可欠な要素であり、日本語解析のボトルネックとなっていたこの基盤技術の解析精度向上により、応用技術の発展可能性が増大した意義は大きい。開発したシステムは一般公開し、実世界テキスト解析に適用可能である。精度向上の鍵となったアイデアは、汎用的言語モデルに対して学習の形態を大きく変更することなくシームレスに意味解析の能力を増強するものであり、その他の言語処理技術の性能向上に対しても応用可能性を秘めている。加えて、研究過程で得られた知見から書き手の省略判断分析という新たな研究の方向性を展開し、教育応用等へのシードを生んだ点も学術的意義として挙げられる。
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