研究課題/領域番号 |
19K12117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
松井 俊浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60437093)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マルチエージェントシステム / プライバシ / 合意形成 / 非集中型最適化 / 多目的 |
研究開始時の研究の概要 |
クラウドコンピューティングやIoT機器により,利用者のプライバシ情報を活用し,利用者間の利害を調整するサービスが出現しつつある.このようなサービスに利用者が提供するプライバシ情報と,それにより得られる効用(利益)を調整する情報処理基盤の構築を目的とする.利用者間の意思決定や共同作業の調整を,非集中型の多目的最適化問題として解決する手法に,プライバシのコストの概念を融合して発展させ,1) プライバシ情報の公開と見返りとして得られる利益とのトレードオフを最適化する指標,2) 情報公開の程度を調整する最適化手法,3) 利用者がトレードオフを把握・学習するための対話的環境,分析環境の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
利用者がプライバシ情報を提示しつつ,互いの利害を調整するサービスにおいて,漏洩情報と得られる効用を調整するために,利用者を代理する「エージェント」間の多目的最適化問題にプライバシ情報のコストの概念を融合し,情報公開と合意による利益とのバランスを最適化する汎用的な交渉手法を提案した. エージェントの状態と関係を記述する変数値と非対称な関数の効用値を段階的に公開するために,調停者と利用者エージェントによる確率的局所探索と,非集中型厳密解法を適用した.情報公開の基本的な戦略について実験的に分析し,他のエージェントの状況と公平性を考慮する交渉により,系全体のトレードオフを平準化する効果を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工知能分野のマルチエージェントシステム上の問題解決のための非集中型最適化手法を発展し,多数の参加者間の利害調整のための多目的最適化にプライバシ情報提供の評価を統合した最適化問題の定式化と,その解法に基づく,汎用的な交渉の枠組みの基礎検討を行い一定の知見を明らかにしたことに学術的意義がある. クラウドコンピューティング環境やIoT機器を活用し,複数の利用者に付随する情報や要望もとに,利用者の意思決定や共同作業のマッチングなどを支援するサービスにおいて,利用者側が情報の公開の程度を指定して合意に至る過程で漏洩する情報と合意による利益を調整する,より粒度の細かいサービスの基礎として社会的意義がある.
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