研究課題/領域番号 |
19K12153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 禎彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (20512354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 推定理論 / 非平衡熱力学 / 量子確率過程 / 統計的推定理論 / 熱力学 / 統計的推定 / 確率過程 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では統計的推定理論と非平衡熱力学理論を組み合わせることで,新しい視点から非平衡系を解明する.近年,熱力学において熱力学不確定性関係と呼ばれる普遍的な不等式が成立することが発見された.この不等式は,熱力学機関が高い精度を達成するにはより多くのエネルギーが必要であることを示している.本研究では,非平衡熱力学と統計的推定における不等式間の類似性に着目し,非平衡系における関係式を統計的推定の観点から解明することを目指す.
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研究成果の概要 |
近年,確率熱力学において熱力学不確定性関係と呼ばれる普遍的な不等式が成立することが発見された.この不等式は「cost」と「quality」に対する不等式であり,高いqualityには高いcostが必要であることを示している.このようなトレードオフ関係式は統計的推定理論においても,Cramer-Rao不等式をはじめとして数多く存在する.本研究では,非平衡熱力学と統計的推定における不等式間の類似性に着目し,非平衡系における関係式を統計的推定の観点から解明した.古典・量子推定理論を用いることで,古典・量子系において新しい熱力学不確定性関係が成立することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果によって,任意の開放量子系における熱力学不確定性関係が初めて導出された.熱力学不確定性関係は与えられた熱力学コストで,最も高い精度を与える量子熱機関を理論的に導出することができるため,最も効率的な量子デバイスの設計原理が明らかとなる.また,量子熱力学不確定性関係が明らかになることで,観測データのみからその量子熱機関がどれだけのエネルギーを消費しているかを推定することができるようになる.
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