研究課題/領域番号 |
19K12156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2021-2023) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
實松 豊 東京工業大学, 工学院, 准教授 (60336063)
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研究分担者 |
篠原 克寿 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (50740429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 情報セキュリティ / カオス力学系 / エルゴード理論 / 物理層セキュリティ / 乱数生成 / アナログ・ディジタル変換器 / スペクトル拡散 / 盗聴通信路 / 情報理論的安全性 / スパース重ね合わせ符号 / 多元接続 / マシンタイプ通信 / スパース符号多元接続 / 疑似乱数生成 / 情報理論的セキュリティ / 力学系理論 |
研究開始時の研究の概要 |
防災や介護等の様々な社会問題を解決する技術として,無線通信機能を持つ非常に多数のセンサー群が極低レートの情報を送受信するマシンタイプ通信は有望である.無線通信には情報漏洩の対策が必要だが,低コスト・低消費電力のマシンタイプ通信機器には標準的暗号化方式は搭載困難である.本研究では,通信方式自体にセキュリティ機能を持たせる「物理層セキュリティ」の基礎研究を推進する.本研究では,以下のテーマに取組む. ①力学系理論に基づく超低消費電力な乱数生成器の性能解析 ②コセット符号化(耐盗聴符号化法の一種)による情報漏洩量の評価法確立 ③超低消費電力を実現する多数のマシン間多重アクセスのためのスパース符号化法
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研究成果の概要 |
防災や監視などの目的で設置した無線通信を使うIoT機器の情報セキュリティ確保は重要な課題である. 黄金比変換器(Golden Ratio Encoder: GRE)は超小型・低消費電力を目指したアナログ・ディジタル変換機の一種である.本研究ではGREの動作を記述する力学系の不変測度を表現する式を世界で初めて明らかにした.得られた不変測度の式を用いて,GREの基本性能指標である二乗平均量子化誤差の理論式を導出した.また,物理層セキュリティを実現するためコセット符号化法に着目し,有限のブロック長に対して第三者に漏洩する情報量の分布を効率的に計算する手法を提案した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黄金比変換器(GRE)の利点は,精度の低い比較器を利用できるため低価格化と小型化が出来ることであり,低い駆動電圧で動作しても安定的に動作するので低消費電力化にも貢献する.GREを用いて乱数生成できれば,IoT機器のセキュリティ確保に貢献することが出来る.学術的には,GREの動作を記述する力学系はこれまで十分に解析されていなかった.GREは2次元の力学系で記述される.本研究で得られた不変測度に関する結果が一般の多次元の力学系の解析につながることが期待される.
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