研究課題/領域番号 |
19K12183
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
河村 隆 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (70242675)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | ロボティクス / メカトロニクス / 紡績機 / ガラ紡 / 糸紡ぎ制御 / Garabo / 風合い / 風合い制御 / 紡績システム |
研究開始時の研究の概要 |
明治初年日本で発明された紡績機ガラ紡を原型として,シルクを原料とする紡績ロボットを開発し,手紡ぎの風合いを詳細に,かつ多様に表現する制御法を確立することを目的とする.ガラ紡は材料塊に直接撚りかけ・引き出しを行って糸を作るユニークな紡績機で多品種少量生産,難紡性の原料の紡糸などに強みがある.これを紬糸に対して適用し,絹製品製造業者の要求仕様に応えられる紬糸の生産が可能な柔軟な紡績システムを構築する.
|
研究成果の概要 |
本研究では,明治時代の日本で独自発明したガラ紡績機をベースに,メカトロガラ紡(自動紡績機械)を開発した.紡績原理は従来のガラ紡と同じで,紡糸張力の計測とフィードバックプログラムを追加し,レーザ寸法測定器で紡績中の糸の状態(太さ)の変化を観察することができるようになった.メカトロガラ紡機は,作成した張力制御プログラムを用いて,紡糸パラメータが糸の太さや風合いに与える影響を調査した.パラメータのうち目標張力と撚りかけ速度に周期的な変動を設定することで,糸の太さを周期的に制御できることを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガラ紡機では,原料である綿を綿筒に詰めてから1つの工程で糸を紡ぐことができ,通常の紡績工程に比べ工程が簡便であり,必要な原材料の最小単位が小さく,多品種少量生産に適している.糸の風合いが手紡ぎに似ていることや,難紡性の原料でも糸を紡ぐことができるといった利点もある.今後特殊原料・繊維リサイクルなどに活路が見いだせる可能性がある.ただし,ガラ紡特有の風合いや糸の太さの変化の原因は明確に示されていない.また,ガラ紡機は紡糸速度が遅く生産性に課題がある.本研究では目標張力に周期性を与え,糸太さの周期的変化を観察できた.今後,風合い全般の制御につながればガラ紡の再評価が期待される.
|