研究課題/領域番号 |
19K12195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
大西 厳 広島国際大学, 健康科学部, 准教授 (40290803)
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研究分担者 |
荒生 弘史 大正大学, 心理社会学部, 教授 (10334640)
浅野 裕俊 香川大学, 創造工学部, 准教授 (70453488)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 感性計測評価 / 感性メンタルサポート / やる気 / 意欲 / 集中力 / 観察力 / 視線計測 / 可視化 / 注視線計測 / 感性情報処理 / 感性評価 / 社会貢献意欲 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、若者の無気力、あきらめ思考などが社会問題となっている。高校や大学では、担任制度、心理カウンセラーの配置などで対応しているが、改善の兆しが見られない。心理カウンセラーの人手不足、若者1人1人に適したサポート・応援ができていないことが挙げられる。本研究では、心理専門職ではない一般人でも、1人1人に適応した若者への応援・サポートができる技術を確立する。その目標の第一歩として、若者1人1人のやる気・意欲を、感性工学・生体情報学的手法(注視点計測と大脳皮質の血流量変化)と心理学的手法を融合して可視化・評価する。やる気・意欲の喚起法・メカニズムの解明によって、積極的に社会に貢献する若者を育成する。
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研究実績の概要 |
本プロジェクト課題「若者の社会貢献意欲の育成を目的としたやる気・意欲の可視化および評価」を遂行するにあたり、令和3年度に引き続き、令和4年度はアイトラッキングによる注視線情報を獲得し、やる気・意欲レベルを向上させる要因の特定をおこなった。 令和4年度の研究において、申請者らはアバターを活用したカウンセリングシステムにおいて、白衣を着たアバターとカジュアルな服を着たアバターを用意し、場面想定法を用いて、それぞれに重い相談内容と軽い相談内容を実施した。その結果、被験者は白衣を着たアバターのほうが、カジュアルな衣装のアバターよりも、その眼部周辺をより長い時間注視していることを確認し、白衣効果が客観的行動指標の一つとして数値化できる可能性を示した。 また、被験者にオンデマンド形式の講義動画を、非拘束・非接触の状態で視聴してもらう実験をした。被験者を「話者がジェスチャーを交えて講義する動画を視聴するグループ」と、「話者が静止画の講義動画を視聴するグループ」に分け、それぞれのアイトラッキングによる視線情報を解析した。その結果、ジェスチャーを交えて講義する動画を視聴した学生は、ジェスチャーのない動画を視聴した学生よりも、その講義内容の理解度が向上し、集中レベルおよび意欲が高くなる可能性を示した。 これらの研究成果は「カウンセラーアバタの外観とユーザの相談状況の違いが相談意欲に及ぼす影響の検討」日本感性工学会論文誌, vol.21, No.3, pp. 267-274, (2022.8)として公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度において、被験者からの視線情報を主とした生体情報を獲得し、やる気・意欲を評価する指標を作成する予定であったが、Covid-19による感染症拡大防止の対応により十分な被験者数を集めることができなかった。また、Covid-19感染症予防の観点から、実験方法の一部を再修正したため、実験に大幅な遅れが発生した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度において 前年度よりも改良したCovid-19感染症拡大防止に対応した実験環境の構築を完了している。実験室の換気・空調システムの構築、アルコールスプレーの設置、マスク着用時の生体情報計測など、多くの問題点は既に解決し、実験を開始している。また、やる気・意欲に影響を与える因子として、光環境の要素を新たに追加した実験課題に取り組んでいる。 令和5年度において、できる限り早い時期に実験を完了し、研究期間内にデータ解析、やる気・意欲の可視化、評価を実施する予定である。
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