研究課題/領域番号 |
19K12196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
福本 誠 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (60422028)
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研究分担者 |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (30511711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 味コミュニケーション / 対話型進化計算 / お勧め / 混合飲料 / 感性 / 飲料生成 / 味探索 / 複数ユーザ / 飲料 / 味 / コミュニケーション / 共創 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,最適解探索手法である進化計算とその対話型システムを土台に,味情報をユーザ間でやりとりすることで,多数のユーザに好まれる飲料の混合比を探索することを目的とする. (1)対話型進化計算による1ユーザの好みに合う飲料の探索 (2)味コミュニケーション技術の確立 (3)対話型進化計算による多数のユーザの好みに合う飲料の探索 手法の提案,システムの構築を行うだけでなく,被験者実験を通じた統計的な手法の有効性の検証を行う.この手法が確立することで,1ユーザに合うオーダーメイド的な飲料の生成が可能になるだけでなく,多くのユーザに好まれる,すなわち新製品開発に利用可能な手法の確立が期待される.
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研究実績の概要 |
本研究課題におけるこれまでの研究活動は,1ユーザのための混合飲料の生成と,2ユーザにとって共通して高評価となる混合飲料の生成に重点を置いてきた.いずれも対話型進化計算を基盤とした技術であり,2ユーザが参加する場合には島モデルと呼ばれる手法をもとにシステム構築を実現した. 2022年度の活動ではこれらの技術を発展させる形で,主にユーザのお勧め情報を解候補に付与する手法の実現に注力した.従来法でもユーザ間の世代中最良解の交換はなされており,この解交換が複数ユーザに共通して好まれる解の探索に役立つとされてきた.一方で,各ユーザの意思表明などはなされておらず,受け取ったユーザ側でもどれが送られてきた解なのか,どのような理由でそれが選択されたのか,などはわからない状態であった.ここで提案した手法では,味コミュニケーションの一環としてまずはユーザがお勧め解を選べることを実現した.その次の段階として,それを選択した「お勧め理由」をテキスト入力することを可能とした.これらの手法により,受け取り側のユーザは,いずれが送られてきたお勧め解なのかと,そのお勧め理由を知ることができる. また,実験を通じて基本的な有効性を調査した.評価値の上昇傾向が観察されるとともに,解探索範囲の収束傾向が観察された.これらは,進化計算の探索のおいてよく見られる特性である.また,お勧め理由には,単に味の美味しさや甘さを挙げる例のほかに,他のユーザの好みそうな解を挙げるケースも観察された. その他にも本研究課題に関して,より複雑な混合飲料を生成する手法や,多くのユーザが参加する手法の検討も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
お勧め情報の利用を実現したことにより,本研究課題の重要な要素である味コミュニケーションを強化することができた.また,対話型進化計算をベースに複数ユーザに共通して好まれる解の探索技術の発展に貢献できたと考えている.さらに,より複雑な混合飲料の生成についても提案したことで,実応用への展開も意識した研究活動となっている.有効性の基礎検証実験も行ったことから,研究活動としてはよい取り組みができたと考えている. 一方で,コロナ禍の影響を受け,比較実験などの面では時間を十分に割けなかった部分もある.これらを総括し,概ね順調な進展であったと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究活動としては,提案した手法に関する比較実験が必要と考えている.すなわち,お勧め情報を利用しなかった場合に比べ,お勧め情報を利用することでより良い解の探索につながったことを示す必要がある.このことを示すことが,本研究課題で提案した手法の有効性を示すことにつながる. また,実応用を目指し,より複雑な混合飲料の生成を行う.探索問題の設計変数が増えることになるため,この観点での探索アルゴリズムの改良を目指す.
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