研究課題/領域番号 |
19K12301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
草原 和弥 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 研究員 (20707020)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 南極棚氷底面融解 / 南大洋 / 海氷 / 南極沿岸水塊 / 海洋モデリング / 気候変動 / 全球海氷海洋モデル / 数値モデリング / 棚氷-海洋相互作用 / 気候モデル |
研究開始時の研究の概要 |
棚氷とは、海洋にせり出した氷床の部分で、氷床-海洋相互作用(淡水と熱の交換)する場所である。特に、南極沿岸域の棚氷及びその周辺部の氷床は近年薄化傾向にあり、海洋への質量の加速度的流出が危惧されている。氷床の質量損失というのは、海面水位を押し上げることを意味している。棚氷の融解は氷床・海氷・海洋をはじめとする様々な気候システム影響を与えると考えられているが、未だ不明な点が多い。本研究は、全球海洋モデル/気候モデルに棚氷要素を新たに導入し、その数値モデルを用いて、気候システムにおける氷床/棚氷-海洋-海氷-大気相互作用の役割を明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
気候モデルに用いる全球海氷海洋モデルに棚氷要素を組み込むことを目的とし、水平解像度1度および0.25度の海氷海洋モデルの整備・運用を実施した。また、棚氷海洋相互作用の数値モデリング結果を現場及び衛星観測結果と直接比較・検証するために、東南極域領域モデルや南極周極モデルも整備・運用した。研究期間5年間で、計15本の原著論文を出版し、そのうち6本は筆頭著者としての成果創出することができた。本研究課題の実施により、棚氷要素を全球海氷海洋モデルに組み込むことに成功し、気候モデル内で南極沿岸域での氷床/棚氷-海洋相互作用を直接表現可能する道筋をつけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各種設定において、南極沿岸域の3つの水塊(低温・高塩分の高密度陸棚水、高温・高塩分の周極深層水、高温・低塩の夏季表層水)の棚氷下への流入パターンの変化が、棚氷底面融解量を規定することを明らかにした。温暖化実験では、棚氷融解量が温暖化レベルに対して非線形応答することを見出した。さらに、全球1度全球モデルで2500年にわたる長期積分と仮想トレーサー実験を行い、南極沿岸の水塊の動態や海盆間の物質循環の時間スケールを見積もることに成功した。本課題による成果は、棚氷融解を数値モデルで直接表現できた点で学術的意義があり、また氷床変動を規定する棚氷変動の理解は海水準予測に貢献することから社会的意義も高い。
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