研究課題/領域番号 |
19K12311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
後藤 直成 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (40336722)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 植物プランクトン / 一次生産 / 栄養塩 / 琵琶湖 / 群集動態 / モニタリング / 光学的測定 |
研究開始時の研究の概要 |
植物プランクトン群集の動態を詳細に評価するためには、その現存量、種組成、光合成活性の3つの因子を広域・高解像度で、かつ同時に知る必要がある。そこで本研究では、複数の光学的測定法を組み合わせて、本研究の対象水域である琵琶湖北湖における植物プランクトン群集動態のモニタリング観測を実施する。これらの観測結果を各環境因子や気象イベント,人間活動などの影響を含めて詳細に解析することで、琵琶湖北湖における植物プランクトン群集の新たな動態像を示す。
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研究成果の概要 |
3年間の係留・船舶・衛星観測により、琵琶湖北湖における植物プランクトン群集動態(現存量、種組成、一次生産速度)は気象によって大きく影響されることが明らかとなった。特に、近年の温暖化に起因する成層の強化・長期化は、深層から表層への栄養塩供給を減少させ、植物プランクトン秋季ブルームの小規模化を引き起こした。また、成層の強化・長期化に降水量低下が加わると、湖内・湖外からの栄養塩供給が絶たれるため、植物プランクトンサイズの小型化と秋季ブルームの消失につながることも本研究により示された。時空間的に高解像観測が可能な光学的測定法は、今後も琵琶湖における植物プランクトン群集の新たな動態像を示すと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、温暖化に起因する水循環の停滞が、栄養塩動態の変化を介して、琵琶湖北湖の植物プランクトン群集に大きく影響することを示した。温暖化の進行は、琵琶湖における大型植物プランクトンの秋季ブルームを消失させ、一次生産力の低下を引き起こす可能性がある。これらの研究成果は、今後の温暖化に対する湖沼生態系の応答や保全・修復を考える上で重要な知見である。
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