研究課題/領域番号 |
19K12317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺西 美佳 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (10333832)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 紫外線UV-B / イネ / 紫外線抵抗性 / DNA損傷 / シクロブタン型ピリミジン二量体 |
研究開始時の研究の概要 |
イネに紫外線B(UV-B)を照射すると、UV-Bが直接到達しない茎頂分裂組織において遺伝子発現量が変化すること、その結果として細胞分裂が阻害される可能性が見出されている。さらにこれらの現象は、UV-B誘発DNA損傷であるシクロブタン型ピリミジン二量体が元となり生じたシグナルが、UV-B照射組織から離れた組織に伝達されることで起こったと考えられた。そこで本研究では、イネのUV-B抵抗性メカニズムを明らかにするため、UV-B照射によりイネ茎頂分裂組織において見られる遺伝子発現の変化を引き起こすシグナルは何か、そのシグナルはいかにしてイネの生育を制御するのかを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
紫外線B(UV-B)は植物の生育を阻害するため、植物のUV-B抵抗性メカニズムを理解することは植物の生産性向上に寄与する。本研究では、植物の生産性を左右する茎頂分裂組織にUV-Bが及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。本研究の結果、茎頂分裂組織に直接UV-Bが照射されないイネにおいては、UV-B照射により誘発されたCPDが茎頂分裂組織の細胞分裂を阻害していることが分かった。また茎頂分裂組織に直接UV-Bが照射されるシロイヌナズナにおいては、花芽形成が誘導されていない短日条件下では、CPD光回復酵素の欠損により茎頂分裂組織の分化が促進され、花芽形成が誘導されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の茎頂分裂組織は、未分化であれば葉を増やし、分化すれば花芽を形成する。そのため、茎頂分裂組織の増殖・分化の制御は、食料生産性に直結する問題である。本研究により、UV-B照射によって誘発されたDNA損傷が、イネにおいては茎頂分裂組織の細胞分裂を阻害することが分かった。シロイヌナズナにおいては生育条件によって効果が異なり、花芽形成が誘導されていない条件下では、UV-B誘発DNA損傷が茎頂分裂組織の分化を促進することが分かった。この生物種や条件による効果の違いを利用し、今後、UV-B誘発DNA損傷が茎頂分裂組織の増殖・分化を導く分子メカニズムを明らかにできると考えている。
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