研究課題/領域番号 |
19K12323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓司 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (00196809)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線 / 発がん / 甲状腺 / 遺伝子変異 / 遺伝子融合 / DNA損傷 / ゲノム / シグニチャー / 融合遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線被ばくによる健康影響として発がんがよく知られているが、放射線発がんの分子メカニズムの全貌は未だに未解明のままである。唯一、放射線起因の小児甲状腺がんでは、高頻度に見られるドライバー変異として、RET/PTC等の遺伝子融合型変異が報告されているが、これらの発がん変異が、放射線被ばくにより直接誘起されたものかどうかは実際のところ定かではなく、その検証なしには、放射線発がんの分子メカニズムの解明、ひいては、放射線発がんリスクのモデルの科学的妥当性の議論はかなわない。そこで本研究では、『放射線誘発の発がん変異は被ばく特有のゲノム・エピゲノムシグニチャーを留める』との仮説を証明することを立案した。
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研究成果の概要 |
放射線被ばくによる健康影響として発がんがよく知られているが、放射線起因の小児甲状腺がんでは、高頻度に見られるドライバー変異として、RET/PTC等の遺伝子融合型変異が報告されている。しかし、これらの発がん変異が、放射線被ばくにより直接誘起されたものかどうかは実際のところ定かではないため、本研究では、『放射線誘発の発がん変異は被ばく特有のゲノム・エピゲノムシグニチャーを留める』との仮説を証明する研究計画を実施した。その結果、放射線照射した正常ヒト甲状腺濾胞細胞において確認された融合遺伝子に、RET遺伝子およびPTC1/3遺伝子の関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線被ばくによる健康影響として発がんがよく知られているが、発がんに関連するドライバー変異は、大半の固形腫瘍では同定されていない。唯一、放射線起因の小児甲状腺がんでは、高頻度に見られるドライバー変異として、RET/PTC等の遺伝子融合型変異が報告されているが、本研究の結果、RET/PTC変異が、高線量の放射線照射では直接生成されることが示唆され、高線量放射線被ばくでは、放射線起因の遺伝子変異が直接関与する可能性が示された。一方、1 Gy以下の低線量放射線では、その可能性は極めて低く、放射線発がんの要因として放射線による変異以外の誘発経路を考える必要が提示された。
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