研究課題/領域番号 |
19K12351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田部井 陽介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40555083)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 多層カーボンナノチューブ / 好中球 / エフェロサイトーシス / ホスファチジルセリン / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
多層カーボンナノチューブ(MWCNT)等の異物暴露後の好中球のクリアランスには、マクロファージの貪食作用による好中球のエフェロサイトーシスが必要不可欠である。特に好中球が細胞表面に提示するホスファチジルセリンやCD47等はマクロファージに認識され、貪食の促進・回避、さらには生体恒常性維持に重要な役割を果たしている。本研究では、MWCNTにより惹起される好中球増多症様症状が効率的なエフェロサイトーシスの阻害によるものだという仮説立て、in vivo試験、及びin vitro試験にて多角的な検証を実施する。
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研究成果の概要 |
多層カーボンナノチューブ(MWCNT)は、多岐にわたる分野での応用が期待されている一方、ヒトへの健康への影響が懸念されている。好中球様細胞に分化したHL-60細胞を用い、MWCNTが及ぼす影響について解析したところ、マクロファージによるエフェロサイトーシスを回避させるMWCNTが存在することが見いだされた。また、これらMWCNTは、好中球の細胞内カルシウム濃度を低下させ、細胞外へのホスファチジルセリン提示を抑制することにより、効率的なエフェロサイトーシスの阻害を引き起こすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ材料は多岐にわたる分野での応用が期待されている一方、微小物質という形体的特徴から、ヒトの健康への影響が懸念されている。しかしながら、現在までのところ、ナノ材料の安全性を確保するための十分な情報は得られておらず、生体内に侵入したナノ材料が好中球に及ぼす影響に関しては全くの未知であった。本課題が明らかにした多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の物性と好中球への影響は、MWCNTのみならず、他のナノ材料の安全な取り扱い方針策定や新規ナノ材料の開発に貢献するものである。
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