研究課題/領域番号 |
19K12362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
山川 茜 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (00720286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大気中水銀 / 水銀同位体分析 / マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析計 / マウナロア観測所 / 水銀同位体 / ガス状原子状水銀 / MC-ICP-MS / 水銀 / 原子状水銀 / GEM / マルチコレクターICP-MS / 水銀同位体比 / CV-MC-ICPMS / MDF / MIF |
研究開始時の研究の概要 |
水銀は化学形態を変化しながら全球的に汚染域を拡大する。水銀の放出から沈着に至る挙動の解明は、今後拡大するかもしれない水銀汚染を防ぐ上で極めて重要である。これまで大気中水銀の動態を理解するために、モデル研究や室内実験、さらには環境の異なる様々な地点で観測が実施されてきたが、化学種の形態変化を生じる反応プロセスについて不明な点が多い。本課題では、大気中水銀の動態理解に向けた「天然の実験室」であるマウナ・ロア観測所でサンプリングを実施し、精密水銀同位体分析を行う。水銀は光化学反応によって特異的に同位体分別を生じる。これを指標として考察することで、大気中水銀の化学的挙動について新たな知見を得る。
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研究成果の概要 |
本研究は、大気中水銀の沈着に関する反応プロセスの理解を目標とし、ハワイ島にある米国の気象観測所、マウナ・ロア観測所(MLO)で採取した大気中ガス状原子状水銀(GEM)について水銀同位体分析を実施することとした。MLOにおけるGEMのδ202Hgは、他の山岳地帯から得られた同位体比よりも低い値となった。マウナロアの独特な大気条件(日中は上り坂の風、夜間は下り坂の風)は、地上および対流圏由来のGEMの混合を生じ、同位体組成に影響を与えたと考えられる。また、偶数および奇数の非質量依存型同位体分別の痕跡より、GEMからガス状酸化態水銀(GOM)の酸化、およびGOMから粒子状物質への分配が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水銀は様々な発生源から大気中へと放出され、乾性および湿性沈着によって大気から除去される。地上へと沈着した水銀の一部は、微生物との反応によって有害な有機水銀となり、食物連鎖を通じて生物濃縮される。水銀の人間および野生生物への健康リスクを評価するためには、特に沈着プロセスの解明が鍵を握る。そこで本研究では、GEMの水銀同位体分析に基づく大気中水銀の沈着について知見を得ることを目的とした。
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