研究課題/領域番号 |
19K12413
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
乃田 啓吾 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60646371)
|
研究分担者 |
木村 匡臣 近畿大学, 農学部, 講師 (80725664)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 水環境 / 湿地 / 水質浄化 / 生態系サービス / 農地 |
研究開始時の研究の概要 |
モンスーンアジアの水稲栽培地域における湿地の水質浄化機能のメカニズム解明を目的とする。具体的には、乾季は汚濁負荷の懸濁・沈降による見かけの浄化、雨季は水田域から大量の供給水による巻き上げ・浄化というように、乾季と雨季では異なる水質浄化のメカニズムが作用している、という仮説を設定し、その検証を行う。この仮説は、湿地の水質浄化機能が、自然条件によって一意的に決まるものではなく、水田という人間活動によって管理できる可能性を支持するものであり、グレーインフラとグリーンインフラの適切な組み合わせを提唱するNature Based Solutionの実現に貢献することが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究では,モンスーンアジアにおける湿地の水質浄化機能のメカニズム解明を目的とし,都市河川,自然河川,灌漑排水路網における水質観測を実施した.その結果,都市河川と灌漑排水地区の排水を比較すると,雨季の電気伝導度はほぼ同程度であるが,乾季においては,都市河川の値が灌漑排水地区の排水よりも2倍程度高い値となった.ラオスの都市河川は生活排水と雨水排水が流入しており,雨季には乾季の2倍程度の水質負荷が希釈されていると考えられる.一方,灌漑排水地区の排水は通年で電気伝導度の変動が小さくほぼ一定の値であった.これは,乾季においても水田からの排水による希釈効果が発揮されているためと考えられる.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(学術的意義)本研究では,都市部から排出される汚濁負荷と農村部から供給される希釈水を考慮し、その湿地域の水質浄化機能への影響を明示的に評価した.特に,そのメカニズムがモンスーンアジアの特徴である雨季と乾季によって大きく異なることを示した.これは,従来の水質浄化機能の「固有の許容量」という考え方とは異なる新しい知見である. (社会的意義)この成果に基づき,水質悪化が顕著な乾季に焦点を当てた「乾季環境用水量」の必要性と灌漑地区の排水がその供給源となりうることが示された.
|