研究課題/領域番号 |
19K12420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
矢部 和夫 札幌市立大学, デザイン学部, 専門研究員 (80290683)
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研究分担者 |
山田 浩之 北海道大学, 農学研究院, 講師 (10374620)
吉田 磨 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (20448830)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ボッグ / 石狩泥炭地 / 湿原復元 / 温暖化気体 / リモートセンシング / メタンフラックス / UAV空撮 / 植生自動分類 / Uリモートセンシング / 幌向7草 / ホロムイイチゴ / オオミズゴケ / 湿原再生 / マルチスペクトルカメラ / 土壌呼吸量 / 温室効果気体 |
研究開始時の研究の概要 |
ボッグを泥炭採掘跡地の再湿潤化によって短期間で再生する方法や、広域で迅速評価できる方法を確立するためにモニタリング指標を考案し、検証し、このような再生ボッグの生態系機能を評価する。また、ミズゴケを含むボッグ種の組み合わせを再生初期の段階で導入し、ボッグの群落種組成の再生の可能性を検証する。 再湿潤化後4年~7年の再生地の群落変化の軌跡を水文水質環境との関係で解析し、群落がボッグの再生方向に向かうために必要な条件を明らかにする。また再生に伴い土壌呼吸量の変化や還元環境で生成される温室効果気体であるCH4、N2Oの生成や放出量を測定し、地球化学的解析も含めた初期湿地の生態系機能を評価する。
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研究成果の概要 |
(1)2016年に遮水したのち,再生地の水文化学環境はボッグの成立可能な状態で安定していた.このような環境条件下で初期導入ボッグ優占種の3種は明瞭な増加をしており,今後ボッグに向かう群落変化が期待できる. (2)温暖化効果気体の動態について,湿生植物を導入している区域は、他の区域に比べて温暖化への寄与が小さいことが示唆された。水環境の違いによる温暖化緩和効果を評価した. (3)画像上の植物の種同定自動分類モデルを作成し,現地植物データと比較して精度を検証した.オルソ画像上でのセグメンテーションごとのRGBの各平均値と草丈を用いたランダムフォレストモデルの精度が約80%で最も高かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幌向再生地は現在ほぼ絶滅した幌向湿原(原野)の核心部分であり,泥炭採掘が終了し,泥炭が露出し裸地化していた場所である.本研究は再湿潤化後のボッグ群落再生の初期過程における,群落の分布や変化の軌跡とその動因を明らかにすることと,生態系機能の一部である温室効果気体の放出を評価することを目的としている. 得られた結論は,ボッグ景観を復元する際に活用することができ,石狩平野に点在する残存湿原で生育する湿生動植物の避難や,湿原面積の拡大に貢献をするとともに,今後のグリーンインフラ整備に対して,その方法を提供できる.また,湿地再生に伴う地球化学的な生態系機能の評価は地球温暖化対策に寄与できる可能性がある.
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