研究課題/領域番号 |
19K12422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
大濱 武 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (00194267)
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研究分担者 |
林 八寿子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20228597)
右手 浩一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (30176713)
青木 裕一 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (40747599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シアノアクリレート / ナノ粒子 / 微細プラスチック / 増殖阻害 / 生分解性 / 活性酸素種 / 薬剤耐性 / 細胞増殖阻害 / 細胞死誘導 / 樹脂系 / 樹脂製ナノ粒子 / 遺伝子発現変化 / クラミドモナス / プラスチックナノ粒子 / 藻類 / トレボウクシア藻 / アポトーシス / トランスクリプトーム解析 / 微細藻 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、難分解性であるnano サイズのプラスティック粒子が、micro サイズのプラスティックでは起きない深刻な別の問題を引き起こす可能性を見出した。nano サイズのプラスティック粒子が微細藻に対して、細胞死を誘導する事実である。micro プラスティックも、機械的破砕・化学的分解でnano サイズのプラスティック粒子にまで小さくなる。海洋中のナノ粒子が、ある濃度を超えた時に、微細藻の細胞死が効率よく誘導される可能性があり、深刻な環境負荷となる。どのような性質のnano プラスティック粒子が、どのような機構で微細藻を殺すのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
イソブチルシアノアクリレートをモノマーとするナノ粒子(iBCA-NP),エチル粒子(ECA-NP),メチル粒子(MCA-NP),イソプロピル粒子(iPCA-NP)を、Tween 80を用いて作成した。これらの粒子が持つ増殖阻害能を細菌,酵母,緑藻を用いて検証した。iBCA-NPがもっとも弱い細胞増殖阻害能を示すことが多く,ECA-NPが最も多くの生物種に対して,細胞死誘導能を示した。iPCA-NPは, iBCA-NPやECA-NP爆露が全く生育に影響を及ぼさないような緑藻に対しても,強い細胞増殖阻害を示す場合もあった。ナノ粒子暴露の効果は,近縁種の間でも全く異なるという例があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シアノアクリレート系ポリマーから構成されたナノ粒子は,野外環境において迅速に分解される。しかも藻類,細菌,酵母などの幅広い種について活性酸素種(ROS)の発生を促すことで,細胞増殖阻害を引き起こす。また,その強さは原材料であるシアノアクリレート・モノマーによって異なる。しかも,動物等には毒性がない事が報告されている。そのため,適当なモノマーを選択することにより,意図する微細生物種の繁殖を一定程度の期間抑制する事が可能である。その作用機構は,従来の抗生剤とは全く異なるため,薬剤耐性を示すような微細生物種にも有効である。このように新規な増殖阻害剤としての利用が見込める。
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