研究課題/領域番号 |
19K12470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日置 史郎 東北大学, 経済学研究科, 教授 (80312528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 国際価値連鎖 / 新興国 / 中国 / イノベーション / 携帯電話 / FDI / グローバルバリューチェーン / イノベーションシステム / 海外直接投資 / プラットフォーム / 学習 / カスタマー / 特許 / 知識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国企業が主導企業としての役割を担い、他の開発途上国企業を巻き込んで形成されている国際価値連鎖(GVC)を「新興国型GVC」の一例としてとりあげ、そうしたGVCの統御の実態とGVCを通じた知識・情報・技能の伝播の実態を重点的に解明する。そうした分析を通じて、資本移動に重点を置いた既存研究とは異なる、知識伝播という角度から、中国が他の開発途上国に与える影響力を考察する。 なお本研究で行う調査は、調査対象となった企業や個人に影響を与えないように、情報の取扱に細心の注意を払って実施する。
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研究成果の概要 |
新興国企業が主導企業となる新興国型国際価値連鎖の事例として、中国の携帯電話製造企業がつくる国際価値連鎖をとりあげ、価値連鎖を通じた学習や国内研究機関からの学習が主導企業のイノベーション成果促進にどのような役割を果たしたか、中国企業が直接投資を通じて開発途上国の生産性に与えるインパクトを分析した。分析の結果、中国およびその他新興国の顧客からの学習を含む広い意味でのローカルイノベーションシステムにおける学習がイノベーション成果を増やす効果をもつこと、また中国の対外直接投資は投資を受け入れている開発途上国の全要素生産性に対して有意な正のインパクトをもつとは必ずしも言えないことなどを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国を筆頭とする新興国の多国籍企業が周辺アジア諸国に海外直接投資を行ったり、周辺アジア諸国のサプライヤーやカスタマーを巻き込む形で形成される「新興国型国際価値連鎖」において、新興国企業がどのようにイノベーション能力を強化したかを、現地企業の学習や技術プラットフォームベンダーの知財戦略との関連から明らかにし、開発途上国企業のイノベーション促進のためのインプリケーションを提供した。中国の直接投資の開発途上国へのインパクトという間接的考察に留まりながらも、新興国型国際価値連鎖内部で中国企業が他の開発途上国にどのような知識スピルオーバーを与えることができるかという問題に対して端緒的見解を示した。
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