研究課題/領域番号 |
19K12495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
白石 壮一郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80512243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高学歴非エリート層 / 社会移動 / プレカリティ / 都市友人ネットワーク / ソーシャルメディア / パトロン-クライエント / アスピレーション維持 / 都市友人・親族ネットワーク / 教育大衆化 / 機会待機 / 高学歴非エリート世代 / 大衆化社会 / 機会/待機 / 都市新興中間層 / ジェンダー規範 / 延長した独身時代 |
研究開始時の研究の概要 |
以下の年次計画にしたがって、研究目的を段階的に明らかにしていく。1年目ではおもに本研究のテーマに関わる対象者らの実態について明らかにし、2年目では、対象者らのより具体的な経験と意識について明らかにする。さらに3年目では、そうした対象者らの経験や意識がどの程度・どのように共有されているか明らかにしていく、という設計である。 なお、各年度とも現地調査から帰国後に調査データの整理と分析をおこない、結果を英文論文として執筆し投稿する。
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研究実績の概要 |
昨年度にひきつづき、国内研究期間図書館・資料室などを利用した文献調査、およびこれまでのフィールド調査データの整理をおこなった。
植民地以来1990年代まで、従来型の若年層の農村-都市移動の典型は、次の図式によって理解できる。(a)少数の成績のよい男子が親族の助けを得ながら大学進学、のちに都市部で就職、親族とはパトロン-クライエント関係に、(b)小卒あるいは中退など学歴をもたずに都市へ出て就業し都市「スラム」人口を構成、零細自営業、富裕層からの雇用(ハウスキーパー、夜警 etc.)を得る。この図式が、民族誌的資料によってあるていど裏付けられることを確認した。
いっぽう、中高等教育大衆化後の現在は、より社会移動に意識的な若年人口の移動がみられるが、失業率の高さから都市近郊・地方都市滞留層が蓄積される。そこで現地事例調査より得たものから、(i)専門学校・大卒30歳程度の女性単身者の都市近郊居住区の生活水準、近隣関係、消費生活、および(ii)より上層にあたる中間層の生活イメージやかれらとの交友関係、結婚市場について、また(iii)農村部親族とのパトロン-クライエント関係管理などについての調査データの整理にあたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
7月に1ヶ月のケニア現地調査を予定していたのだが、COVID-19パンデミックにより渡航滞在不可能となり中止した。
また、予定していた中等教育進学先行世代にあたる人物の自伝的手記資料の刊行は、インフォマントおよび親族のあいだでの土地裁判が進行中であり、手記資料の内容のうち係争事例とかかわる部分が証拠として利用されるおそれがあるため、インフォマントおよび親族と協議のうえ、刊行を大幅に延期することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの現地調査と文献調査を踏まえ、2023年度には、ごく短期の補足的な現地調査(1週間程度)をおこない、学会・研究会での口頭発表と論文の公刊をおこなう予定である。
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