研究課題/領域番号 |
19K12506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 美穂 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 准教授 (40607256)
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研究分担者 |
本田 純久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エチオピア / 聖水 / 健康希求行動 / K10 / SF36 / SF-36 / 混合研究 |
研究開始時の研究の概要 |
エチオピア北部では人口の9割がエチオピア正教徒である。エチオピア正教の聖職者が祝福した水は触れたものすべてを浄化すると信じられ、人々は日常的に病気の予防や治療を目的として聖水を使用する。聖水は、それ以外のものを口にしてはいけないと考えられているため、聖水治療を求める人々の多くは、処方薬の服用を放棄する。そのため、聖水治療に関連する先行研究は、聖水を西洋近代医学による治療の阻害要因として捉える傾向にある。本研究は、聖水治療を選択する人々の視点から聖水治療の意味を理解し、定義することを目的とする。
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研究成果の概要 |
合計171人の聖水を求めた人から得られたデータを分析した。健康上の理由で聖水を求める人は、そうでない人に比べて、身体的健康度(p=0.007)と精神的健康度(p=0.015)が低かった。初等教育(p=0.004)を受けた50歳以上の回答者(p=0.032)は、他の回答者よりも身体的健康度が低かった。30~49歳(p=0.033)と公共交通機関を利用する人は、精神的健康度が有意に高かった(p=0.009)。最後に、宗教的または伝統的なケアを最初に求めた人は、近代西洋医学的ケアを最初に求めた人よりも精神的健康度が高かった(p< 0.001)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、エチオピア北部の3か所の修道院において、1.聖水を求める人々の特性、2.聖水を求める人々の健康に関する生活の質、精神疾患の程度の評価、3.聖水にたどり着くまでの治療行動、を明らかにした。特に調査地では、健康を訪問の理由に挙げた者が8割、若者、高学歴の者も少なくない、という訪問者の特性、ならびに、宗教的ケアを第一の治療と選択した者の精神的健康度が有意に高い、という結果が得られ、今後の調査地におけるヘルスプロモーション活動に示唆を与えることが期待される。
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