研究課題/領域番号 |
19K12562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤井 秀登 明治大学, 商学部, 専任教授 (90308057)
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研究分担者 |
老川 慶喜 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (10168841)
恩田 睦 明治大学, 商学部, 専任准教授 (50610466)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヘリテージ・ツーリズム / 保存鉄道 / クロノトポス / テーマ環境 / テーマ空間 / 日本の鉄道遺産 / 英国の鉄道遺産 / 場所の経験 / ヨーク英国国立鉄道博物館 / 高輪築堤跡 / 赤沢森林鉄道 / 丸瀬布森林鉄道 / 広島電鉄株式会社 / ブラックプール・トラム / カーニバルの境界性 / 観光資源としての駅舎 / 観光資源としての鉄道車両 / 建築様式 / トラム / 東京駅丸の内駅舎 / セントパンクラス駅舎 / 平渓線 / 鉄道 / イギリス / 日本 / 台湾 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、欧米では鉄道遺産を活用したツーリズム、すなわち鉄道とヘリテージ・ツーリズムに関する研究が実施され、その成果が研究論文として報告されている。一方、日本では鉄道とヘリテージ・ツーリズムに関する本格的な研究はなされていない。また、鉄道がヘリテージ・ツーリズムに組み込まれ、制度化されいる英国の研究も不十分である。 本研究は、鉄道とヘリテージ・ツーリズムを制度化している英国と、それが制度化されていない日本とを史的に比較することで、制度化に必要な組織の解明、鉄道遺産をツーリズムとして捉え返す考え方の導出、日本の観光交通政策や観光政策に対する示唆の獲得を目的とする。
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研究成果の概要 |
鉄道遺産を活用したヘリテージ・ツーリズムについて、日本と英国で比較した結果、動態保存されている鉄道は、英国のほうが日本よりも質量において勝っていた。特に英国では、ボランティアが保存鉄道の運営に関与しており、観光客だけでなく地域社会においてもその意義が認められていた。確かに日本の鉄道システムの原型は英国から導入されたため、東京駅丸の内駅舎に外観面で関連性がみられる。一方で、日本の廃止された鉄道には、地域における観光資源として動態保存できる可能性が見いだせた。研究課題に対して、観光政策や観光交通政策としてよりも、むしろ関係者による自発的な事業運営が結果的に政策につながっていく点を確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄道を利用したヘリテージ・ツーリズムにおいては、鉄道遺産が場所の自然や文化と時間的、空間的に整合性をもっていることが、観光資源としての価値を高める結果、事業に貢献する点を明らかにした。その際、理論的な分析枠組みとして、クロノトポス、テーマ環境とテーマ空間が有用と判断した。クロノトポスとは実在対象を統一された時間と空間として認識する概念である。テーマ環境とは、観光アトラクションの物的、人的な環境を指し、テーマ空間とは、テーマ化することで生み出される象徴的な意味を介して特徴づけられた場所の概念である。これらに留意しながら、場所における鉄道遺産の価値づけを実施すると、地域活性化にもつながる。
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