研究課題/領域番号 |
19K12588
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石橋 正孝 立教大学, 観光学部, 准教授 (70725811)
|
研究分担者 |
羽生 敦子 白百合女子大学, 言語・文学研究センター, 研究員 (90744780)
平賀 美奈子 (河野美奈子) 立教大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20795570)
舛谷 鋭 立教大学, 観光学部, 教授 (90277806)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 観光 / 巡礼 / ゲニウス・ロキ / コンテンツ・ツーリズム / 文学散歩 / 複合現実 / 聖母出現 / 観光文学 / モデル作者 / ホスピタリティ / 聖地巡礼 / パリ神話 / 分霊 / コンテンツツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀ヨーロッパで相次いだ聖母マリアの出現事例の中で、圧倒的成功を収めたのがフランスのルルドである。本研究は、その要因を「観光」に見出し、19世紀以降の聖母出現が「観光」に適合する要素を有していた点で、それ以前とは質的に異なる事実を実証する。ここでいう「観光」とは虚実融合現象、そして、それを元に成立した特殊な共同体を指し、心霊主義に加え、コンテンツツーリズムを典型的事例とする。複合現実に基づく明日の観光の先取りと見做しうる三者は、テクノロジーの欠如を〈信〉によって補うことで可能となっていた。文献とアンケート調査により、この聖地の特異な魅力の根底に「観光」のメカニズムがあることを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究は、(1) 聖母出現によってカトリック有数の聖地となったフランスのルルド、(2) シャーロック・ホームズに代表される「キャラクター」をめぐってファンが行う「聖地巡礼」、そして(3) 19世紀の英米における心霊主義を比較対照することによって、19世紀以後の大衆消費社会に特有の虚実融合現象に基づく特殊な共同体として観光を再定義するとともに、そこでの想像力の役割を解明することを目指し、五年にわたって共同研究を実施した。COVID-19の世界的流行に伴い、現地調査を十分に行い得なかったが、代わりに、観光と想像力の関係をめぐって一定の理論構築を実現できたことは大きな成果である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オーバーツーリズム等の観光の弊害を緩和するには、大多数の観光者が観光情報に誘導されている現状から、個々の観光者が独自の関心に基づいて観光経験における価値を自ら創出する傾向が高まる必要がある。その際に鍵となるのが想像力である。本研究は、想像力による価値創出の具体例として、異なるタイプのそれを比較することで、想像力の機能を解明する端緒を開いた。加えて、国内の模造ルルドを通して土地の固有性を移す/写す可能性を考察し、多分野の研究者との対話を重ねるなかで、文学作品に限らず、広く虚構作品とその舞台に選ばれた現実の場所について、送り手、受け手、そして作品の三者の関係を整理、問題の一般化につなげた。
|