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早期自然流産が女性の死生観と生活の再構築に与える影響についての社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K12625
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80030:ジェンダー関連
研究機関筑紫女学園大学 (2023)
福岡女子短期大学 (2019-2022)

研究代表者

加藤 朋江  筑紫女学園大学, 人間科学部, 准教授 (90296369)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード早期自然流産 / 流産 / 妊娠 / 母性 / 自然流産 / 喪失感 / 死生観 / 不育症 / 出産 / 生殖補助医療 / あいまいな喪失 / 子ども観 / 生殖 / 妊娠・出産 / 妊娠初期
研究開始時の研究の概要

本研究は妊娠週数12週未満の早期の自然流産について、現代日本の女性たちがそれをどのように経験したか、意識や行動のレベルにおいて明らかにするものである。
早期の自然流産は生物学的に避けがたい事態ではあるが、少子化に伴ってその経験は重く受け止められるようになっていると思われる。本研究は、早期流産がどう語られてきたか文献によって分析すると同時に、当事者に対する聞き取り調査やインターネット上のコメントの計量テキスト分析など多様な方法を駆使し、その体験が女性たちの死生観や人生設計において及ぼした影響について考える。そして、これを経験する女性たちにどのような情報提供やサポートが必要であるかを考察していく。

研究実績の概要

令和5年度は、以下の2つの領域を中心に研究を進めた。
1つ目は、過去に聞き取りをおこなった調査の論文作成である。これは早期自然流産を経験した女性たちに対するものであり、4ケースについてスクリプトを作成して内容を検討した。その結果、現代日本においては妊娠判定薬や超音波検査の普及にともなって女性たちが早めに自身の妊娠判定を知ることが可能であること、そして胎芽・胎児の人格化が早期に開始することが確認された。その結果、比較的早期に妊娠継続が中断されたとしても、妊娠判定からの時間は胎芽・胎児は「赤ちゃん」として認識され、流産は「我が子の喪失」とみなされる経験となることが確認された。
さらに、早期自然流産の場合妊娠それ自体が他者からは分かりづらいことや妊娠そのものが公開されていないことが多く、流産の経験を当事者が一人で抱え込むことも明らかになった。たとえ同居している配偶者がいた場合でも流産経験の認識には「ズレ」があり、そのことが当事者を悩ませたり、失望させたりすることがあるケースも紹介された。
2つ目は、今後実施予定の医療関係者に対するインタビューについての準備作業である。これは妊娠している女性のケアにかかわる助産師に対するものであり、オンラインで実施することが多くなるために近年における聞き取り調査の実施についての研究のフォローや、実際に調査を行うための各種の手続き(学内における倫理委員会の審査や医療関係者への研究調査の打診)を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①早期自然流産を経験した当事者に対する聞き取り調査の論文については、学内の紀要に報告することができた。
②医療従事者に対する聞き取り調査については、当初の計画としては令和5年度内に実施する予定であった。だが、研究申請当初に構想していた医療従事者に対する対面での聞き取り調査は新型コロナウイルス感染症の流行に伴い変更を余儀なくされ、この影響が令和5年度も継続していた。
加えて当年度は、研究代表者の所属機関の変更と複数の新規授業科目の担当に伴い研究作業を思うように進めることができなかった。そのため研究期間を1年延長し、令和6年度において令和5年度実施予定であった調査を進める予定である。

今後の研究の推進方策

前述の通り、本年度においては医療従事者に対する聞き取り調査を実施する。本研究は以下の3つのステップに沿って実施予定である。
①オンラインによる聞き取り調査:すでに、ある国立大学の保健系の教員と連絡を取り、その方に現役の助産師の方をご紹介いただく手はずをとっている。早期自然流産を経験した女性たちに対して、実際にどのようなケアがおこなわれているのか。医療従事者として近年の早期自然流産の増加傾向(後年初産の割合や生殖補助医療の経験者の増加に伴う)をどのようにとらえているか等をお聞きする予定である。
②聞き取り調査の内容を分析し、国内の学術的な学会・研究会で報告する。
③②の内容をもとに論文を作成し、社会学系の学会誌に投稿をおこなう。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2022 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「わが子」喪失経験としての早期自然流産 ー聞き取り調査の分析から―2024

    • 著者名/発表者名
      加藤朋江
    • 雑誌名

      筑紫女学園大学研究紀要

      巻: 19 ページ: 141-153

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 新聞記事は「流産」をどう扱ってきたか -読売新聞「ヨミダス歴史館」による分析-2022

    • 著者名/発表者名
      加藤朋江・大賀哲
    • 学会等名
      第70回 関東社会学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「あいまいな喪失」としての早期自然流産 ―当事者に対する聞き取り調査の分析を中心に―2019

    • 著者名/発表者名
      加藤朋江
    • 学会等名
      第29回日本家族社会学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 共生社会の再構築42022

    • 著者名/発表者名
      大賀哲ほか
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      法律文化社
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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