研究課題/領域番号 |
19K12630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
篭島 靖 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (10224370)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | X線顕微鏡 / 放射光 / X線光学 / X線トモグラフィ / X線光学 / X線顕微鏡 / ゾーンプレート / 回折限界 / 回折積分 |
研究開始時の研究の概要 |
前基盤研究(C)において、空間分解能の劣化を抑えつつ焦点深度を拡張可能な新しいタイプのX線光学素子である Inverse-phase composite zone plateを発案した。シミュレーションを実行し、空間分解能の劣化を8%にとどめ焦点深度を2倍にできる設計値を発見した(論文査出版済)。しかしながらその設計値はゾーンの格子構造の最大アスペクト比が30を超えており、現状の加工技術では製作が困難である。本研究では、現状の加工技術で製作可能な、回折限界を超える空間分解能と焦点深度が得られる実用性のある設計値を見いだすことを目的とする。
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研究成果の概要 |
微細実材料のオペランド非破壊観察には、X線顕微鏡コンピュータトモグラフィ(CT)による3次元構造の可視化が必須である。顕微鏡CTでは試料の大きさをレンズの焦点深度内に収める必要があるため深い焦点深度のX線光学素子は重要な開発要素である。研究代表者は空間分解能の劣化を抑えつつ焦点深度を拡張可能な新規のX線レンズを発案し、逆位相コンポジットゾーンプレートと名付けた。本研究ではその実用的な設計値を探索するための集光特性計算プログラムを開発・改良し、性能をシミュレーショトした。8~12 keVのX線で空間分解能の劣化を7%増に抑えつつ焦点深度を約2倍にできる設計値を見つけた
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高輝度放射光が広く利用されるようになり、ゾーンプレートや全反射ミラーなどのX線光学素子の進歩も相俟って、100 nm以下の空間分解能が比較的容易に得られるようになり、実材料の顕微構造分析へのニーズが高まってきている。物理学の基本原理として、より小さい空間分解能を得ようとすると焦点深度はより浅くなる。空間分解能を損なわずに焦点深度を大きくできないことは、厚い試料を高い空間分解能で観察することが原理的に困難であることを意味しており、試料の厚さを制限することになるため実材料分析への適用を妨げてしまう。本研究は特にX線顕微トモグラフィによる非破壊3次元構造解析の実用性の向上に資するものである。
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