研究課題/領域番号 |
19K12639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
池本 夕佳 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 主幹研究員 (70344398)
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研究分担者 |
佐々木 孝彦 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20241565)
井口 敏 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50431789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 赤外線領域放射光 / 顕微分光 / 磁気光学応答 / 磁気円二色性 / 分生性導体 / 赤外磁気円二色性分光 / 赤外磁気円二色性 / 放射光 / 分子伝導体 / 赤外放射光 / 放射光赤外 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、赤外線領域の高輝度放射光を利用して広帯域の磁気円二色性分光装置を開発し、分子伝導体が示す複雑な磁性・電気特性の起源を低エネルギー分光の側面から明らかにする。分子伝導体の電子物性を担う分子軌道を捉えるには赤外分光が適しているが、試料が小さいため、高輝度放射光光源を利用した赤外顕微分光が必要である。さらに、磁性や伝導性の発現に重要な役割を担うスピンの状態を解析するため、赤外顕微分光装置で磁気円二色性測定ができる装置を開発し、分子伝導体の磁性、伝導性、マルチフェロイックス等に関する関連性を総合的に解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、赤外顕微磁気円二色性装置を開発し、分子性導体試料などの二色性スペクトルを通して、スピン状態とエネルギーバンドの関係を解明することを目的として研究を実施した。実験は、SPring-8の赤外物性ビームラインBL43IRで、最大±14Tの磁場下で低温顕微測定が可能な磁気光学ステーションで行った。磁気光学効果による微弱なスペクトル変化を観測するため、光弾性変調器(PEM)をステーションに導入し、5000~800cm-1の二色性装置を組み上げた。赤外域に大きな二色性信号が報告されているCdSbで明瞭な結果を得た。また、強い電子相関により多彩な物性を示す分子性導体も有意な変化を観測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、赤外線領域の磁気光学効果の信号を測定する装置開発を行い、これを利用して、電子間の強い相互作用により磁気秩序状態を示すCeSbと分子伝導体の測定を行なった。これらの物質は、赤外線領域に磁性発現に関わる電子のバンド間遷移を持ち、スピン状態や磁性発現の機構の解明が可能となる。また、分子伝導体の測定にあたっては、異方性を考慮した測定・解析手法を開拓したため、装置は多くの固体試料に適応できる。
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