研究課題/領域番号 |
19K12642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽多野 忠 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 助教 (90302223)
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研究分担者 |
小池 雅人 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (50354973)
江島 丈雄 東北大学, 国際放射光イノベーション・スマート研究センター, 准教授 (80261478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | テンダーX線 / 多層膜 / 回折格子 / 分光器 |
研究開始時の研究の概要 |
軟X線で回折格子、硬X線で結晶によってX線分光技術が確立されている一方で、2-4 keVのギャップ領域では開発が遅れている。近年生物細胞内微量元素の内殻励起分光の需要により注目を浴びている1-5 keVのテンダーX線領域において、本研究で多層膜ミラー技術を回折格子分光器に応用した高性能分光器を開発する。高性能を生む原理は、回折格子表面に積層した多層膜が1-5 keVの全域でブラッグ条件を満たす分光器駆動方式である。テスト用回折格子基板に多層膜成膜を施して回折効率を評価し、テンダーX線分光器に多層膜回折格子が最適であることを実証する。
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研究成果の概要 |
硬X線と軟X線の境界領域にあり十分な分光技術が発展していないテンダーX線において、回折格子分光器と多層膜を組み合わせた高出力分光器を提案した。刻線密度3200本/mmの回折格子の表面に周期膜厚4 nmのW/B4C多層膜をコートすることにより、エネルギー1-5 keVのテンダーX線に対し、入射角82°-89°で、回折効率4%-11%を達成した。この多層膜回折格子が鈴木型可変偏角分光器に適用可能であることを実験的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
テンダーX線とは物質との相互作用の強い軟X線の領域の中で最もエネルギーが高く、硬X線との境界に相当するエネルギー領域のX線をいう。Si、P、Sなど生体内の微量元素の分布を可視化するのに有用となることが期待され、今後バイオ研究などで特に重要となってくるX線領域である。本研究ではテンダーX線利用研究で必須となる分光技術の確立を目指し、多層膜回折格子分光器を用いて実現できることを示した。
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