研究課題/領域番号 |
19K12671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
ばんば まさえ 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 研究員 (00249202)
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研究分担者 |
渡邉 操 岡山県立大学, デザイン学部, 准教授 (00567844)
曽和 英子 神戸芸術工科大学, 附置研究所, 研究員 (80537134)
濱田 菜々 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (80829812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 織物 / 染織 / 和棉 / ワークショップ / 織機 / 白絣 / 家庭用織機 / 糸紡ぎ / 伝統工芸 / 木綿 / 和綿 / 手紡ぎ |
研究開始時の研究の概要 |
かつて国内で盛んに栽培された和綿は日本の気候に合った特性を持ち、その布は様々な染織技法で彩られて衣服や布団として人を包み、庶民の生活を豊かにしたが、大量生産の製織には適していなかったために衰退していった。本研究は、国産木綿の成り立ちと歴史をもとに、日本で生成された木綿文化の検証を行う。日本の伝統工芸として、それぞれの地域や風土のなかで独自に発展した木綿染織がどのように継承されているのかを調査し、考察する。また、和綿栽培復興の事例から、現代の工業化された消費社会において人の手で作られる布の魅力を再考し、伝統技術を伝えていくことの意味を明らかにして行く。
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研究成果の概要 |
和棉は16世紀に日本へ伝来した後に盛んに栽培されたが、繊維の特性上、明治以降の機械化には適さなかったため、それまで織物生産の中心だった家庭での手紡ぎ、手織りとともに衰退していった。本研究では、和棉の歴史と加工の方法について調査を行い、人の手で作られる布の特徴を栽培、糸紡ぎ、製織、染色の作業を通して明らかにした。また、和棉衰退後の織物文化と手織りの可能性について家庭用に開発された織機を通して考察し、織ることの意味と楽しさについて知る機会を広めるための方法を模索し、提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、布の大量消費と廃棄による環境負荷が大きな問題となっている。本研究で提案する、身の回りにあるものを利用して自らの手で布を作る試みは、持続可能な社会について考え、かつて盛んに行われてきた地域の木綿文化と歴史を見直す活動の中で誰もが活用できる内容である。繊維を加工して織ることは木綿に限らず古代から人が行ってきた行為であり、生活に密着したものだったが、和棉と共に衰退した。手織りを再興する目的で作られた家庭用織機についての研究は希少であり、近代から現代にかけての一般家庭における織物文化を再考する端緒となると考える。
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