研究課題/領域番号 |
19K12684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 大香士 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (90362285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ヘルスケア / 生体計測 / 工業デザイン / 予防医学 / 自律神経 / 人体動力学 / 生理学 / プロダクトデザイン / 上腹部柔軟度 / 指標 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、セルフ・ヘルスケアの基礎を築く。現代では、投薬をはじめとするメディケーションには積極的であるが、体調管理や自己免疫力の向上といった、自発的セルフケアの施策と取組が疎かである。その理由の一つに「実感として自身が感じ取れる人体共通の指標がないこと」が考えられ、日々の体調を把握しつつ、人体の仕組みを活かして慢性疾患の予防をする方策が必要である。そこで、上腹部の柔軟度を新たな健康指標として提案し、特に高齢者の自発的なヘルスケアへの取り組みを促進できる仕組みを創出する。基礎研究の成果を活かしたデザイン学の実践により、医療費の削減に貢献するプロダクトデザイン・プロジェクトデザインを創出する。
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研究成果の概要 |
上腹部の柔軟度を新しい健康指標とするために、指装着型の位置・力センサユニットを開発し、研究協力施設において計測実験を行うことにより定量評価した。上腹部は呼吸筋の影響を受けて大変形し、また消化器の運動状態、血流状態、精神状態なども腹部の硬さに多重的に関与するが、結果として表出する上腹部の硬さからわかることを探った。具体的には、眼心臓反射の前後で上腹部の上下動運動(呼吸運動に相当)の変化を測定し、解析することで、自律神経と呼吸との関係性を複数の被験者に対して実験した結果、双方の相関が大きいことがわかった。また、ユーザが日常的に上腹部の硬さを測定できるデバイス開発を行い、原型を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果から、呼吸の状態が自律神経の働きにより影響を受けることがわかり、上腹部運動の一側面を明らかにできた。自身の直感として体調を感じ取れ、また定量化指標として他者と共有、比較可能な上腹部の柔軟性が、体調把握・管理の新たな指標となり得るため、人類共通の健康指標として普及させる価値があることがわかった。個人の生活習慣・既往・遺伝に拠るところが大きいため、相対評価はこれからの課題であるが、むしろ個人レベルの経時的な判断指標として有効である。本研究の知見によりデバイス開発を行うことで、特に高齢者が自身の体調を直感的に把握することができる新しいしくみづくりを推進できると考えている。
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