研究課題/領域番号 |
19K12728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
池田 尊司 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (80552687)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脳磁図 / 自閉スペクトラム症 / 視覚野 / 色知覚 / 視覚 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症児は対人コミュニケーションに困難を抱えていることが知られているが、その基盤となる低次の感覚・知覚レベルでの歪みがあり、その中でも視覚認知の機能不全が根底にあることが指摘されつつある。しかし、子どもの詳細な内観を得ることが難しい以上、視力そのものには異常がない場合において、視覚認知の問題は見過ごされてしまいがちである。本研究は、視覚刺激と神経活動との対応関係を時間・空間分解能に優れる非侵襲的脳機能計測法である脳磁図(MEG)によって定量的に評価して子どもの視覚野の活動を詳細に記述することが目的である。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD: autism spectrum disorder)児は対人コミュニケーションに困難を抱えていることが知られているが、その根底には低次の感覚・知覚レベルでの過敏や鈍麻が生じていることが指摘されつつある。本研究では、5から7歳のASD児の視覚刺激に対する視覚野の反応特性を、定型発達(TD: typically developed)児との比較において定量的に評価することが目的である。脳機能計測には、時間・空間解像度に優れ、幼児に対して計測ストレスの少ない脳磁図(MEG: magnetoencephalography)を用いた。 MEGデータの取得時に用いた視覚刺激は、一般的に用いられている輝度コントラストからなるパターンリバーサル課題を幼児向けに改変し、さらに赤と緑の色コントラスト条件を追加したものであった。幼児MEGデータの取得に際し、1条件あたり120試行分のデータを取得し、2条件全てを10分以内で計測できるようにプロトコルを策定した。この刺激を観察しているときの脳活動をMEGで計測し、計測終了後にはアーチファクトやノイズを取り除くための前処理を行った。 同施設内に設置されたMRIで取得したT1強調構造画像と合わせて分析を行うことで、鳥距溝から後頭極までの初期視覚野に信号源が推定できることを確認した。 また、実験参加児のスクリーニングと、脳活動と視空間性認知機能との相関を検証するためのデータを取得した。色覚検査には石原色覚検査表IIコンサイス版14表を、知能検査にはK-ABC(Kaufman assessment battery for children)を用いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析に必要なASD児およびTD児のMEGデータ・色覚検査および知能検査の結果が揃い、前処理およびconnectivity解析を進めている。MEGデータ取得時に記録した顔動画を用いて視線解析を行い、画面中央を注視できていた試行のみを解析対象に含めるように前処理を変更した。各個人のMRI画像より灰白質表面データを抽出したことでMEGで取得した脳活動の信号源が推定できた。 論文投稿受理までに時間を要するため、次年度へ研究期間延長を決定した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に予定していた学会発表の機会が得られなかったため、次年度へ1年間研究期間を延長し、原著論文の投稿・受理と学会発表をもって研究期間を終了する。
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