研究課題/領域番号 |
19K12741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 北里大学 (2020-2023) くらしき作陽大学 (2019) |
研究代表者 |
猪原 敬介 北里大学, 一般教育部, 講師 (10733967)
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研究分担者 |
上田 紋佳 岡山大学, 教育学研究科, 特任助教 (60707553)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 読書 / 語彙力 / 文章理解力 / 眼球運動 / 語彙 / 計算モデル / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
読書による語彙学習の実態を,特にゲインの少ない者に着目して解明することが,効果的な介入法の提案につながると考えられる(課題①)。また,実生活の観点からこの現象を捉えることで(課題②③),「高ゲイン者には挑戦的な本を薦めてどんどん自発的に読ませていく。低ゲイン者には,ゲインが大きくなるような介入を行った上で, 語彙レベルにあった本を選んでやって,少しずつ語彙を伸ばしていく」のように,学校現場における読書推進の在り方についての提言につなげていきたい。
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研究成果の概要 |
読書による語彙学習からのゲイン(不意打ち語彙テスト成績)が多い者(高ゲイン者)と少ない者(低ゲイン者)で,人工未知語(実験用に作成された実在しない単語)を含む文章を読んだ際の眼球運動の違いを検討した。結果として,ゲインの多い者は未知語への総停留時間が長かったが,その効果の大きさは内容理解の成績が高い者ほど大きいことが明らかとなった。さらに,一般語彙の影響,および,内容理解を経由して「文章を楽しむ」「感情を動かす」ことが,最終的にゲインへ影響することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
語彙力を高める堅実かつ有望な手段に,読書からの語彙学習がある。しかし,読書による語彙学習から得られるゲイン(gain: 学習効果の大きさ)に大きな個人差があることは教育現場では十分に認識されていなかった。本研究の成果は,ゲインの個人差があることを教育現場に再認識してもらうきっかけとなり,かつ,どのようにすればゲインを高めることができるのかについての重要な手掛かりを与えてくれるものである。具体的には,基礎としての語彙力の向上と,しっかりとテキスト内容を理解し,楽しむことを推奨する国語教育が考えられる。
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