研究課題/領域番号 |
19K12795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 公益財団法人国際科学振興財団 |
研究代表者 |
川崎 陽久 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 専任研究員 (80449024)
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研究分担者 |
石田 直理雄 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 主席研究員 (00344234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 寿命 / 老化 / 電界 / クリプトクロム / 睡眠 / ATP / 体内時計 / 遺伝子 / Cryptochrome |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、低周波交流電界での飼育により、ショウジョウバエの寿命が20%延長する事を見出した。この寿命延長は、Cry遺伝子が変異した個体では見られなくなる事から、Cry遺伝子の関与が明らかとなった。本研究では、メタボローム解析で得たデータを足掛かりとし、ウェスタンブロッティングやRT-PCR等の分子生物学的手法を駆使して、Cryを通じた寿命延長効果の分子メカニズムを解明する。Cry遺伝子は昆虫や植物だけでなく、ヒトを含む哺乳動物にも保存され、時計遺伝子の中核を成すばかりか、最近は磁気受容体としての研究が進んでいる。本研究の成果は、老化や寿命と体内時計に関する基本的生命現象の理解に貢献できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、交流電界による寿命延長効果の分子機構解明に取り組んだ。この現象にはATP量と睡眠遺伝子Wake発現の上昇が見られ、実際に睡眠改善効果が確認された。これらの現象にはCry遺伝子が必須である事を確認した。また我々は、磁場による健康増進効果についても検証し、寿命延長、睡眠改善、運動機能低下抑制などを確認した。これらの効果も、やはりCry遺伝子が必要だった。面白いことに、磁場と電場では、処理時刻によって睡眠改善効果が異なった。また、神経変性疾患モデル動物でも交流磁場による健康増進効果が見られたため、将来的には認知症などの治療への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、磁界の受容体としても知られる時計遺伝子クリプトクロムが、電界の受容体としても働く事を世界に先駆けて証明しただけでなく、適正な曝露条件では、睡眠を改善して寿命を2割程延長するという健康増進効果がある事も示した。クリプトクロムは、昆虫だけでなくヒトにも存在する遺伝子であるため、人間でもこのような電界効果がある事は充分期待できる。 現代日本人の平均寿命は85歳前後であることから、寿命が2割延長されれば、100歳を超える計算となる。寿命が2割伸びたショウジョウバエに病的兆候は見られないため、本研究は、老化研究分野ばかりか健康寿命増進法の提唱にも貢献できると考えている。
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