研究課題/領域番号 |
19K12798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
右田 聖 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (00512302)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | バイオマテリアル / 生体機能材料 / 生体適合材料 / ナノバイオ材料 / 細胞・組織工学材料 / 細胞バイオメカニクス / チタン / 表面粗さ / 細胞接着 |
研究開始時の研究の概要 |
金属の表面形状や粗さは細胞機能を変化させる。この現象のメカニズムを解明できれば、インプラントのような医療デバイスの性能を向上させる表面処理に応用できる可能性がある。本研究では、これまでの研究成果をさらに発展させ、細胞が粗造化表面にどのように接着し、それを介してどのように細胞内へ信号を伝え、細胞機能へと変換しているかを分子レベルで解明し、理論化する。
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研究成果の概要 |
本研究では、金属のサブミクロン粗造化表面が細胞レベルでどのような影響を及ぼすかの解明を目指した。サブミクロン粗造化したチタン表面は、細胞のインテグリンα5の発現を低下させ、およびYAPの核内局在を低下させることが明らかになった。その結果、細胞の増殖や骨分化が抑制されているのだと推測した。一方で、コバルトクロム合金をサブミクロン粗造化した場合、細胞は凹凸を利用して接着する傾向が見られた。このことから、チタンとそれ以外の金属では表面粗造化の効果も異なっている可能性が示された。これらの結果は、生体材料の粗造化が細胞の機能に及ぼす影響を理解し、新たな生体適合性向上戦略を検討するための重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、粗造化したチタンが細胞の増殖と分化を抑制するメカニズムの一部を明らかにし、一方で粗造化したCCM合金が細胞の接着を支える機能を提供することを明らかにした。これらの結果は、材料選択により粗造化の影響が変化することを示している。また、医療用インプラントや生体材料の表面設計において、細胞との相互作用をより詳細に考慮しなければならないことを示している。これらの知見は、インプラントが患者の体内で長期間にわたって安定した機能を発揮し、高い生体適合性を維持することを可能にするために重要である。本研究で得られた成果は、生体材料の理解を深め、より効果的な治療法の開発に資するものである。
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