研究課題/領域番号 |
19K12853
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
竹内 正明 産業医科大学, 大学病院, 准教授 (30236434)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 心臓超音波 / 三次元 / 容量比 / 予後 / 3次元心エコー / 左室茶房容積比 / 正常値 / 予後予測能 / 左室・左房容積比 / 年齢依存 / 性差依存 / 予後予測 / 左室容量 / 左房容量 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
私達は左室・左房容積比 (LV/LA volume ratio) という新たな心機能指標を提唱した。本指標は、左室の収縮能のみならず、拡張能特性をも内包した指標であり、既存の心機能指標より病態診断、予後予測に有用である可能性がある。最近3次元心エコー図画像を用い、左室、左房の容積曲線を作成する全自動ソフトウェアが開発された。本研究の目的は、LV/LA volume ratioの正常値を求め、後ろ向きに収集した3次元画像データを用いて、心疾患患者とくに左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)患者に対する本指標の予後予測能を既存の心機能指標と比較検討することである。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、左室・左房容積比 (LV/LA volume ratio:LVLAVR) という新たな心機能指標の正常値を求め、心疾患患者に対するLVLAVRの予後予測能を既存の心機能指標と比較検討することであった。LVLAVRは男女とも加齢とともに進行性に減少し、年齢依存性があった。拡張末期のLVLAVR、拡張末期、収縮末期のLVLAVRの差(DeltaLVLAVR)は有意な予後予測因子であり、両者の中央値を用いて患者を2群に分けると、生存曲線に有意差を認めた。多変量解析ではDeltaLVLAVRは年齢、慢性腎臓病、左室収縮能あるいは拡張能で補正しても有意な予測因子であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LVLAVRは加齢とともに減少し、潜在性の拡張機能の低下を反映している可能性が示唆された。このことは無症候性の高血圧症例や糖尿病症例でLVLAVRを算出し、より早期の心機能の異常を検出できる可能があり、社会的意義は大きいと考えられる。またLVLAVR、特に拡張末期のLVLAVR、及び拡張末期、収縮末期のLVLAVRの差(Delta LVLAVR)は心疾患患者の予後予測に有用であり、既存の心機能指標より優れていた。予後予測の検討には3次元全自動化ソフトウェアーを用いており、このことから3次元心エコーデータがあれば誰でも簡便に予後予測が可能であり、この点から学術的有用性は極めて高いと考えられる。
|