研究課題/領域番号 |
19K12861
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
三原 美晴 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (40377263)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 間欠性外斜視 / アイトラッカー / 小児 / サッケード / 眼球運動 / 輻湊 / 内転の優位性 / パシュート / 視線追跡装置 / 乳幼児 / 視線解析 |
研究開始時の研究の概要 |
視機能が未熟な小児に発症する間欠性外斜視は、頻度の高い斜視であるが発症時期・原因が不明である。斜視がなく良好な両眼視が必要とされる3D映像の利用が増えている昨今、間欠性外斜視の発症機序解明は重要な課題である。成人の眼球運動研究から外斜視の病態が推測されているが、それがいつから存在する病態なのかは、眼球運動が発達する小児期まで遡って検討する必要がある。この研究は視線追跡装置の利便性を活かして、正常小児と間欠性外斜視の小児の眼球運動を記録し、小児斜視の発症に重要と思われる眼球運動の発達の相違点を見出すことを目的とし、間欠性外斜視の発症機序の解明により、治療戦略と発症予防法の開発につなぐ研究である。
|
研究成果の概要 |
間欠性外斜視(IXT)の小児群と斜視のない小児群の素早い視線移動の速度(衝動性眼球運動=サッケード)を比較したところ、両群で水平方向サッケードの速度に有意な差が見られなかった。この小児での結果は、IXTの成人は斜視のない成人と比較して水平方向のサッケード速度が大きいという特徴とは異なっていた。サッケードは実行中の視覚フィードバックがない眼球運動だが、IXTのサッケードの特徴は先天的なものではなく、成長と共に徐々に形成されると考えられる。また、IXTの小児は斜視のない小児と比較して、眼球を内側に向けるサッケードが弱く、IXTの発症と輻湊(両眼を内に寄せる眼球運動)の発達との関連が考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間欠性外斜視の小児の水平サッケードを解析することで、成人と同様に正常でみられるはずの内転方向のサッケードの優位性が小児期から弱いこと、成人とは異なり、間欠性外斜視のサッケード速度は正常小児と有意な差がないことが判明した。計測が困難なことが多いが、小児期の斜視患者のサッケードを解析することで、成人のサッケードの研究だけではわからない間欠性外斜視の発症やその経過に与える影響の予測に役立つ研究成果であり、今後さらに発展する可能性が高い研究である。
|