研究課題/領域番号 |
19K12885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀 勝博 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (90261388)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 電動車いす / 先導ロボット / 安全 / 誘導 / 介護者 / 支援システム |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会の到来に伴い,安全で使いやすい電動車いすの研究が進められているが,これまでは車いす単体の高機能化に関する研究が主流であった。しかし,車いす単体を高機能化しても,廊下の曲がり角などでセンサの死角が生じる場合があり,介護者なしでは十分な安全性が確保できない場面が存在する。本研究では,このような場面に対して,介護者の代わりに,車いすを先導して移動先の障害物をいち早く検知し安全な経路へ誘導する先導ロボットおよびそれを用いた新しい電動車いすユーザ支援システムを開発する。
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研究実績の概要 |
2022年度の実績として,昨年度から取り組んできた先導ロボットシステム実機による検討を進める過程で,電動車いすの認識方法に問題点が見つかったため,認識方法を見直し,新しく開発した認識方法を実機に実装し動作検証を行い,その有効性を確認した。以下,判明した認識方法の問題点,その問題点解決のための認識方法の開発,動作検証結果の順に詳しく述べる。まず,認識方法の問題点について,先導ロボットシステム実機を用いて,電動車いす単体を安全に誘導できることはこれまでに確認できているが,複数の電動車いすの誘導を試みた際に,電動車いすを区別することが困難であった。これは,昨年度までの認識方法が電動車いすユーザの脚の認識に基づく方法であったためである。そこで,新たな認識方法として,マーカを用いた認識方法を検討および開発した。従来の方法では,マーカ等の環境整備を必要としない簡便な方法である反面,複数の対象物を区別して認識することが難しかったので,新たにマーカを用いた認識方法を検討し,マーカを電動車いすの前面に設置し,先導ロボットに搭載したカメラによりマーカの相対座標を得るといった手法を開発した。本手法では,マーカの認識可能距離や精度については使用するカメラとマーカの大きさにより調整できるが,今回使用したカメラとマーカにより,従来のレーザ測域センサと同等の性能を得ることができた。そして,今年度開発した新しい認識方法を実装した先導ロボットシステムの動作検証のため,昨年度と同様の障害物停止動作を含む先導ロボットによる電動車いす誘導実験を新旧二つの認識方法について比較実験を行った。その結果,両認識方法ともに障害物停止距離に大きな違いはなく,同等の安全性能が得られていることが確認できた。さらに,本手法ではマーカIDによる区別が可能であることから,複数の電動車いす誘導へ適用可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先導ロボットシステムの実機による検討を進め,その過程で判明した問題点を解決するために電動車いすの認識方法を改良し,実機に実装して有効性が確認できたが,当初計画していた研究の一部が未実施の状況である。本補助事業の目的をより精緻に達成するため,次年度へ事業期間を延長して研究を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度開発した電動車いすの認識方法等をさらに改良して,実環境における先導ロボットシステムの動作検証を行い,先導ロボットシステムを完成させる。
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