研究課題/領域番号 |
19K12887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
遠藤 博史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ付 (20356603)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 嚥下 / 高齢者 / 筋電図 / 喉頭挙上 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や脳血管障害によって嚥下機能が低下し嚥下障害に陥ってしまうと、嚥下機能を回復することが困難になる。そのため、老嚥の状態(加齢によって嚥下機能は低下しているが、嚥下障害の前段階にある状態)から適切に介入し、嚥下機能の低下を抑制していくことが必要である。そこで本研究では、嚥下プロセス中の咽頭期に着目し、嚥下の開始から喉頭蓋反転までの時間差を非侵襲的に推定可能な計測法を開発することを目的とする。この時間差を評価することで咽頭期の食塊の移送に時間的余裕があるかどうか(誤嚥のリスク)を判断でき、嚥下障害に至る前の嚥下機能が低下した状態の定量的評価につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
加齢による嚥下機能低下の定量的評価のため、筋電図計測を行った。舌骨下筋群の筋活動時間は、高齢者群で有意に長かった。 性別の影響については、喉頭挙上が始まるまでの舌骨上筋群の筋活動時間が女性よりも男性で有意に長く、喉頭挙上速度は男性の方が有意に速かった。年齢は筋肉活動時間に影響するパラメータであったが、性別はより複雑な影響を及ぼした。したがって、加齢に伴う嚥下機能を検討する際には、性別を考慮することが重要であることが示唆された。また喉頭挙上開始直前の筋活動の急峻な増加までの時間を評価することで嚥下の開始から喉頭蓋の反転までの時間差を定量的に評価できる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢による嚥下障害を予防するためには嚥下機能の定量的評価法が必要であり、本研究は筋電図と喉頭挙上から非侵襲的に嚥下機能を評価する方法の開発を試みた。その結果、嚥下機能評価に男女差が大きく影響する可能性が示された。また筋電図波形から喉頭鏡上のタイミングを非侵襲的に計測できる可能性が示された。本結果は、嚥下機能の定量的評価手法の開発にとって重要な示唆を与えるものである。
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