研究課題/領域番号 |
19K12977
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 西南学院大学 (2020-2021) 東京大学 (2019) |
研究代表者 |
柳沢 史明 西南学院大学, 国際文化学部, 講師 (10725732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アフリカ / ベナン / アフリカ美術 / 植民地文化 / ツーリストアート / フランス植民地主義 / 宣教師 / 真鍮 / アボメイ / 宣教 / 芸術学 / 植民地 / フランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ダオメ(現ベナン共和国)における真鍮製彫像の製作及び受容の歴史について、フランス及び現地の文字・映像資料及びポルトノヴォ、コトヌーでの現地調査を介して分析し、彫像の製作過程、様式伝播及び受容・販売形態を明らかにする。この作業を通じ、植民地状況下における創造的契機の解明及び材料・技術面での流通過程を探るだけでなく、民衆芸術家らの想像力と様式化された身体表現に新たな植民地文化の誕生を家父長主義的に看過した植民者側のロジックを探ることを目的としている。また、隣接するギニア湾沿岸地域及びフォン人の造形文化も視野に入れ、植民地支配と西アフリカにおける造形文化の伝播及び技術混淆の解明を目的する。
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研究成果の概要 |
アボメイを中心に製作されてきた真鍮製彫像がダオメ宮廷文化の伝統を引き継ぎつつ、植民地化のなかで導入された失蝋法によって技法や様式の面において、さらにはダオメ内外におけるその受容の面においても大きな変化を経験してきたことが明らかとなった。失蝋法の流入経路の確定は難しいところであるが、これらの彫刻が旅行者や植民者を喜ばせる土産物として機能していたこと、その製造・流通・管理の面において植民者や推進者らが関与していたこと、さらにアサンを飾る新たな造形として製作されことは確実であり、植民地時代の支配とそのなかでの創造を物語る西アフリカの重要な造形文化として位置づけることができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、1)ダオメにおける失蝋法による真鍮製彫像の歴史を、20世紀初頭の植民地的状況における文化の生成・流通・変容という観点から明らかにし、2)西アフリカを含むアフリカ諸地域の造形物の製作・販売・流通に関する諸問題を対話的・相補的な仕方で分析した。アフリカ由来の「アート」のプロモーションをめぐり、研究側の分析と企業側の経験や知見とを共有することで、アフリカと「アート」に関する新たな主題の開拓、さらに企業と研究との新たな協力可能性を提示することができた。
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