研究課題/領域番号 |
19K13040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 名古屋音楽大学 |
研究代表者 |
長江 朱夏 名古屋音楽大学, 音楽学部, 講師(移行) (80795295)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 人材育成 / 即興音楽療法 / 感性トレーニング / メンタルヘルス / 虐待防止 / 職員研修 / コミュニケーションスキル / 感性(感受性)トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
コミュニケーションスキルの向上とセルフケアスキルの向上に基点を置く音楽療法のワークショップは、障害者理解と関りの工夫へと役立てられ、福祉介護従事者の日常業務へのより実践的で効果的な反映が期待できる。表現の主言語に音・音楽を用いることで、コミュニケーションの原点を探り、その中で自分を表現するチャレンジは、普段とは違う自分にアクセスできる体験につながる。これは、新たな感覚で人と接することを可能にし、障害児・者や高齢者支援での対象者との関わりにも新たな視点をもたらす。私はこの取り組みスタイルに大きな可能性を感じている。 本研究では、上記のような工夫と発想をもとにした人材育成プログラムの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
世界各国の音楽療法士や教育者、ドラムサークルファシリテーターと意見交換することで、即興音楽療法で用いられる感性トレーニングのアプローチが何故有効なのかが理解できた。そのひとつは、音楽での対話がコミュニケーションの原点へ立ち返らせてくれるからだった。 また、海外の音楽療法学生とのワークショップを行ったことで、本プログラムが言語の垣根を越えて「体験して学ぶ」「非言語コミュニケーションを必要とする対象者理解を促す」機会を提供できることも立証できた。コロナ禍において、オンラインでの研修会を試行したが、学びの効果が限定的になり、本研究の目指そうとしている成果は対面研修でなければ得られないことも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療・福祉の現場における虐待問題へ取り組む研修は座学が多く、体験的なものはほとんどない。このことからも、本プログラムに興味をもつ福祉関係者は多かった。音楽による非言語のコミュニケーションは、幼児と養護者の共感的コミュニケーションに共通しており、人間なら誰しもが持っている能力を再認識し活性化させる重要な役割を担う。 また、体験者の多くは音楽を用いたプログラムへ“癒し”を期待していたことから、対人支援者のセルフケアの必要性が伺える。普段とは違う発想で人と交流を持つことは、リフレッシュになったという感想もあった。学びとセルフケアを同時に提供できるプログラムは、今後も需要があると考えられる。
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