研究課題/領域番号 |
19K13159
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 三重大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
菅谷 友亮 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 助教 (50826625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 視線計測 / 視覚世界パラダイム / 認知プロセス / 形容詞 / スケール表現 / 文化比較 / 主観性 / 評価 / 日中比較 / 言語処理プロセス / 文脈依存性 / 高次脳機能 / 言語心理実験 / 産出プロセス / 心の理論 / 相互主観性 / 心理言語学 / 文化心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は実験参加者の視線の動きを観察して人間が形容詞表現を使って何らかの評価をする際にどのような認知過程を経ているかを明らかにする。評価対象となるモノだけでなく、その周りにあるモノやコトにも注意を払って評価をすることが予想されるが、具体的に何に対してかは疑問である。しかし、視線計測器を使うことによってその点が明らかになり、それにより形容詞表現の使用方法が分かるだけでなく、評価という広く一般的な現象に対して人間が行っている認知処理の内実が垣間見られる。普遍的傾向があると同時に個人差や文化差があると想定され、特に文化に関しては、複数の言語で実験し比較することで、文化心理の対照性が明らかになる。
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研究成果の概要 |
本研究では視覚世界パラダイムを用いた視線計測実験により、形容詞という文脈依存的性質をもつ言語表現を産出する際にどのような認知処理がなされるか、またそれが言語文化によってどのような影響を受けるかを解明した。具体的には、話者(実験参加者)は「判断対象」だけでなく言語化されない非明示要素である「比較対象」「判断基準」「評価者」等のイメージに対してもよく注視し、形容詞による評価がどのような文脈的要素の解釈を基に形成されるかが明らかになった。さらに、日本語のイ形容詞が他のスケール表現や他の言語と比較し、その性質が一層強いことが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言語は日常的に人間が行う思考や判断の反映である。「良い/悪い」はじめ様々な主観的評価は形容詞によって言語化されることが多い。我々は一日の間でそのような判断を無数に行い行動に移す。しかし、それらは直感的で自動化しており、どのような思考により判断に至ったか、脳内でどのような認知処理がなされ出力に至ったかに関して不明なことは多い。本研究は、その思考や認知処理の内実を可視的かつ実証的に明らかにし、人が普段行う評価がどのように主観的であるかを解明することに貢献した。
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